3社に分割という実質的な「解体」へと進む東芝は、どこで道を間違えたのか。前編では「4つ」の分岐点のうち、2015年の不正会計問題への対応と米原子力事業を巡る誤った判断を紹介した(関連記事:東芝「解体」の根源は不正会計対応、膿を出し切らず巨額損失へ)。後編では、17年に実施した第三者割当増資の背景と、出資に伴い経営に関与し始めたアクティビスト(物言う株主)との対立を見ていく。

 東芝が設置したガバナンス強化委員会は11月12日、2020年7月の定時株主総会を巡る再調査結果を公表した。これに対する車谷暢昭前社長の主張も併せて紹介する。

 「考えられるなかで最悪の一手だった」。東芝元幹部がこう酷評する決断がある。2017年11月に東芝が決めた、6000億円の第三者割当増資だ。

 米ゴールドマン・サックス(GS)が単独主幹事を務め、約60の投資ファンドからの出資を取り付けた大型ディール。東芝元幹部が「悪手」と評したのは、シンガポールのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントや米エリオット・マネジメントなど、複数のアクティビスト(物言う株主)が含まれていたからに他ならない。

 2018年3月期に2期連続の債務超過になると、東京証券取引所の上場廃止基準に抵触する。銀行はつなぎ融資を検討するも、東芝に対して身を切る覚悟を迫った。上場を維持するには、どこかから資金を調達する必要があったが、経営陣は頼る相手を間違えた。これが、経営陣が道を誤った第3の分岐点だった。

メモリー売却に横やり

 ただし、東芝は最初からアクティビストに頼ったわけではない。

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