「売り上げより利益とその質が重要だ。インフラサービスやデータに経営資源を集中して企業価値を高めていく。目標を先送りしたという認識はない」
東芝が11月11日に開催した、中期経営計画「東芝Nextプラン」の進捗説明会。オンラインでの会見に登壇した車谷暢昭社長兼CEO(最高経営責任者)は、新たに公表した2025年度までの中期目標について、強気の姿勢を貫いた。

公表した中期目標では、25年度に売上高4兆円、売上高営業利益率で10%を目指すというもの。20年度の見通しからそれぞれ約1.3倍、6.4ポイント引き上げる。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で前提となる発射台が下がっているとしても、目標設定のハードルは高いと言えるだろう。
今回の計画は「コミット」
車谷社長が「先送りではない」と説明したのには理由がある。東芝は以前にも同様の目標を掲げていたからだ。車谷氏の経営トップ就任から半年後の18年11月に公表した中計では、21年度の計画として売上高3.7兆円、営業利益率6%以上、23年度のターゲットとして売上高で4兆円以上、営業利益率で8~10%を目指すとしていた。
「前回は21年度までの3年間はコミット、23年度までの5年間はターゲットだった。今回の目標はコミットとして提示しているので位置づけが違う」と車谷社長は説明する。これを額面通りに受け取る関係者は少なく、コロナや米中貿易摩擦など、18年11月時点からの外部環境の劇的な変化を受けて2年先送りしたとみるのが妥当と言えそうだ。
では、新たに「コミットした」という中期目標では、具体的にどのような事業を伸ばしていくのか。
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