富士通がDX(デジタルトランスフォーメーション)企業への転身を加速させている。同社は10月27日、傘下の新光電気工業や富士通ゼネラル、FDKなどの切り出しを検討していると明らかにした。DX事業で勝ち抜くため、業績貢献度が高い「虎の子」すら「非注力事業」とみなし、ポートフォリオの大転換を進める。市場はこうした動きを好感するが、「2023年3月期までに主力のテクノロジーソリューション分野で営業利益率10%」という中期経営計画で掲げた目標の達成には疑問が残る。

富士通が検討しているのは、主力以外の「ノンコア事業」を担うグループ会社のカーブアウト(大企業からの事業切り離し)だ。今年3月末時点で発行済み株式数の5割を保有する半導体製造装置の新光電気工業や、同4割強を持つ空調事業の富士通ゼネラル、そして6割弱を保有する電池事業などのFDKを中心に、他社との資本業務提携などを検討しているという。
富士通は9月にも、スキャナー大手PFU(石川県かほく市)の株式の8割をリコーへ売却したほか、5月には半導体事業の統括会社である富士通セミコンダクター(FSL)が100%子会社の富士通セミコンダクターメモリソリューション(FSM)の株式70%を国内投資ファンドに売却で合意。SI(システムインテグレーション)サービスやクラウドサービス、サーバーといった主力の「テクノロジーソリューション」以外の事業は、好調であっても本体から切り離そうという考えだ。
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