東芝の「事実上の解体案」(元取締役)が明らかになった。11月12日に発表する予定の新しい中期経営計画では、主要事業ごとに会社を3つに分割する方向で最終調整に入っている。その裏側では、次期社長の座をめぐり内紛が発生。経営幹部のみならずアクティビスト(モノ言う株主)も交えて、情報のリーク合戦が熱を帯びている。取材班が入手した複数の内部文書と証言から、混迷の実情を探る。

 「彼だけは社長にしてはいけない」

 10月半ば、日経ビジネス取材班に1枚の文書が届いた。匿名を条件に取材に応じた関係者によると、東芝社内の一部で出回っているものだという。次期社長候補とされる幹部を名指しし、2015年に発覚した不正会計に関与したことで「東芝全体を倒産の危機にさらした」と批判している。田中久雄氏ら歴代3社長が辞任した後も「現場からの情報を黙殺し続け」、現在も「事態悪化の不検知(あるいは黙殺)は過去と変わらない」と指摘する。この関係者が問わず語りでつぶやいたのが、冒頭の言葉だ。

東芝では次期社長の人事をめぐって内紛が起き、対立候補をけん制する文書も飛び交う
東芝では次期社長の人事をめぐって内紛が起き、対立候補をけん制する文書も飛び交う

 東芝社内で内紛が起きている。1つのきっかけは今年4月、車谷暢昭氏が社長を辞任したこと。現在の綱川智社長が会長職から返り咲いたが、会見では「次の世代に引き継いでいく」と述べ、ワンポイントリリーフの立場だと自ら認めている。東芝は7月、次の社長候補を精査するためコンサルティング会社2社と契約している。これを受け、社内で昇格を狙う人物、その神輿(みこし)を担いで役職を手に入れたい勢力、阻もうとする陣営が入り乱れる。

 取材班は今回、東芝関係者から複数の内部文書を入手した。理路整然と主張を展開するものもあれば、「怪文書」に近いものもある。ただ確かなのは、東芝の企業統治と経営が混迷を極めているということだ。

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