ファンドによる買収に向け選考プロセスが進んでいる東芝。買収の総額について曖昧な情報が流れ、TOB(株式公開買い付け)価格が高値になるとの思惑から株価が急上昇した。あまりに高い金額に期待が集まると金融機関から融資が出ないため、TOB実施にブレーキがかかりかねない。
東芝の再建を巡っては現在、実質的にプライベート・エクイティ(PE)ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)か、それとも官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)か、どちらの陣営が買収するかで競っている。
多くの一般投資家にとっては「いくらで東芝株が買い取られるか」が関心事。それに関わる情報が、12日に流れた。一部報道で「買収額として2兆8000億円を想定」と伝わった。
東芝の株価は19日終値が5421円と、急騰前の12日終値に比べて6%高い。13日には一時5600円前後と、9%高の水準まで上がっていた。
2兆8000億円を同社の発行済み株式総数(自社保有株を除く)で割ると、1株当たり6471円になる。これが「TOB価格になるのだろうか」と株式市場での思惑につながった。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り2572文字 / 全文3059文字
-
【春割】日経電子版セット2カ月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
【春割/2カ月無料】お申し込みで
人気コラム、特集記事…すべて読み放題
ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「日の丸電機サバイバル」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?