「スマートウオッチとしてだけでなく、アナログ時計としての価値をより高めていく」。ソニーのBusiness Acceleration部wena事業室の對馬哲平統括課長は、スマートウオッチの新商品を手に今後の戦略をこう語る。
10月1日にソニーが発表した新型スマートウオッチ「wena 3(ウェナスリー)」。11月に発売するこの商品は、腕時計のバックル部分に有機ELディスプレーやセンサー、通信機能などを搭載する。機械式などの好きな時計本体(ヘッド)と組み合わせてスマートウオッチとして使える「ハイブリッド型の商品」(對馬統括課長)であるwenaシリーズは、2015年にソニーの新規事業育成プログラムで誕生。今回が第3世代品となる。

wena 3は、キャッシュレス決済として新たに交通系ICカードのSuica(スイカ)に対応。wena 3に話しかけるだけで米アマゾン・ドット・コムの音声認識AI(人工知能)「アレクサ」を操作することも可能になった。加速度センサーや心拍センサーを使って歩数や脈拍数などの活動ログを測定する機能も備える。取り付けられる腕時計ヘッドのラグ幅(ヘッドとバンドを取り付ける部分の幅)は、これまでの18、20、23mmの3種類から、18~24mmまでの1mm刻みに増やした。
機能を強化しながら、バックル部分のスマートウオッチモジュールも小型化した。回路設計を見直し、前モデルの「wena wrist active」に比べて「体積は30%小さく、厚みは2.5mm薄くなった」(對馬統括課長)という。小型・薄型化はウォークマン時代からのソニーのDNAだけに、面目躍如といったところだろう。
事業拡大へ外販に乗り出す
スマートウオッチの第3世代品として、正常進化を遂げたといえる今回のwena 3。それだけではない。冒頭の言葉通り、アナログ時計の価値を高めるために新たな事業モデルに乗り出す。
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