シャープは8月31日、ワイヤレスイヤホン型の補聴器「メディカルリスニングプラグ」を発表した。比較的症状が軽い「軽度」「中等度」の難聴者である、40~60代のビジネスパーソンをターゲットにした商品。補聴器として使えるだけでなく、通常のワイヤレスイヤホンとして音楽などを聴くことができる。EC(電子商取引)サイトや家電量販店などを通じ、9月中旬以降に発売する。 

シャープが発表した補聴器「メディカルリスニングプラグ」
シャープが発表した補聴器「メディカルリスニングプラグ」

 医療機器開発のニューロシューティカルズ(東京・文京)と共同で開発した。シャープは昨年、健康・医療・介護分野を成長領域として打ち出しており、今回の補聴器は管理医療機器としての認証を取得した商品となる。

 「聴く力が健康な状態である期間である『健聴寿命』を延ばし、『生涯現役社会の実現』に貢献したい」。シャープのICTグループ長で医療事業を統括する津末陽一専務執行役員は、オンラインで開催した商品発表会でこう意気込んだ。

価格は競合製品の3分の1

 開発した補聴器の特徴の1つが、消費者の聴覚特性に応じて補聴器からの音量を周波数ごとに調整する「フィッティング」の手間を軽減したこと。スマートフォンの専用アプリを使い、リモートで「認定補聴器技能者」や「言語聴覚士」の資格を持った専門スタッフが調整していく。

 これまでの補聴器では、フィッティングを最適化するために複数回にわたって、販売店に通う必要があったという。シャープのデジタルヘルスソリューション事業推進部長を務める石谷高志氏は、「毎回、お店に通わなくて済み、時間や手間が省けるだけでなく、対面サービスへの不安が払拭できる」とメリットを強調する。

「メディカルリスニングプラグ」の使用イメージ
「メディカルリスニングプラグ」の使用イメージ

 価格も安い。9万9800円(非課税)と、一般的な補聴器の両耳(2台)分の平均価格である30万円程度に比べて3分の1になるという。フィッティングをリモート対応にしたことに加え、5年間の延長保証や盗難・紛失補償などを有料オプションにすることで初期費用を抑えた。

 補聴器市場には海外勢を中心に数多くの専業メーカーが参入済みだ。なぜシャープは今回、医療機器としての認証を取得して新規参入するのか。

 

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