中国市場に進出する日本の複合機メーカーの間で、中国政府による規制強化の動きに対する警戒感が高まっている。外資企業を政府調達から外す動きに加え、中国国内で設計開発や生産を要求される、との懸念が浮上している。米中対立を背景に、中国政府が国産化政策を進める中、日本企業のハイテク技術が標的にされかねない事態に陥っている。

2019年、中国国際輸入博覧会で展示されたキヤノンの複合機。富士フイルムホールディングスやリコー、コニカミノルタなど日本各社が中国で事業展開している(写真:新華社/共同通信イメージズ)
2019年、中国国際輸入博覧会で展示されたキヤノンの複合機。富士フイルムホールディングスやリコー、コニカミノルタなど日本各社が中国で事業展開している(写真:新華社/共同通信イメージズ)

 米国との技術覇権争いを背景に中国当局は2019年ごろから、企業や製品名を記したリストを作成している。対象はパソコンやサーバー、日本企業が高いシェアを持つ複合機なども含まれているとみられ、同リストに載らないと政府調達品に採用されないケースが相次いでいる。

「外資を理由に政府調達を失注した」との声

 在中国の日系企業で構成する中国日本商会は22年7月下旬に中国政府への要望をまとめた白書を出し、「一部の日本企業より、外資企業製品であることを理由に政府調達を失注、入札に参加できなかったとの声が多数上がっている」と明らかにした。

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