ソニーは2021年4月、エレクトロニクス事業を統括する中間持ち株会社ソニーエレクトロニクスの社名を「ソニー」に変更する。ソニー本体の社名が「ソニーグループ」に変わることを受けて、祖業のエレキ事業が元の社名を引き継ぐ格好だ。ゲームや金融、半導体などの事業に押され気味のエレキ事業は再び存在感を高められるか。

 「今期はスマートフォン事業の黒字化を達成する。次は(エレキ事業)全体で再び成長路線に戻していけるかどうかだ」。ソニーが8月25日に開催したエレキ事業の説明会。ソニーエレクトロニクスの石塚茂樹社長兼CEO(最高経営責任者)は課題をこう口にした。

スマートフォン事業はようやく黒字化しそうだ(写真:共同通信)
スマートフォン事業はようやく黒字化しそうだ(写真:共同通信)

 かつてのような赤字体質から脱却したソニーのエレキ事業だが、社内での存在感は低下しつつある。21年3月期の業績見通しは、売上高は主要6部門で2番目の1兆8700億円とはいえ、前期比6%減だ。営業利益は前期比31%減の600億円で、6部門中5番目にとどまる。石塚社長の課題認識には、こうした状況が背景にあると言えそうだ。

コロナ禍でも高付加価値品は売れる

 新生「ソニー」での再成長に向け、ソニーエレクトロニクスは来期から始める新たな中期経営計画を策定中。目指す方向性の1つは、以前から進めてきたプレミアム(高付加価値)路線のさらなる追求だ。

 赤字続きだったテレビを筆頭に、ソニーのエレキ事業は「規模よりも違いを追う」という高付加価値路線で復活を果たした。画面自体を振動させて音を出す有機ELテレビ、フルサイズセンサーのミラーレスカメラなど、高性能な商品に的を絞ることで安定した利益の創出を図ってきた。「従来通りのプレミアム路線でソニーらしい価値を貫く」と石塚社長は意気込む。

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