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 「変化に適応し、危機を機会と捉えていく」。8月4日にソニーが開催した決算説明会。オンラインでの会見に登壇した十時裕樹副社長兼CFO(最高財務責任者)は、新型コロナウイルスの感染拡大が続く2021年3月期のソニーにとっての位置付けをこう説いた。

2020年4~6月期決算をオンラインで説明したソニーの十時裕樹副社長兼CFO(写真:会見の映像をキャプチャー)

 同日発表した21年3月期の業績見通しは、本業のもうけを示す営業利益が前期比27%減の6200億円。ソニーは5月時点では通期見通しを開示しなかったが、少なくとも営業利益が3割減になる見通しを示していた。実際に開示した数字を見れば「想定通り」といえるだろう。

 もっとも、個別の事業を見ていくと想定外の状況が生まれているようだ。顕著なのが「大黒柱」としてソニーの業績を支えてきた半導体事業だ。

 今期、ソニーの半導体事業の営業利益は1300億円と、前期比で45%減る見通し。ゲームやエレクトロニクスなど主要6事業の中で最も減益幅が大きい。5月時点では「3~4割の減益」との想定を明らかにしていたため、期初よりも事業環境の厳しさが増しているのは間違いないだろう。

 実際、ソニーの半導体事業の主力であるスマートフォン向け画像センサーでは、3つの変化が起きている。

ハイエンド機が売れない

 1つが、スマホ市場の変化だ。米IDCの調査によると世界のスマホ市場は20年に前年比11.9%減の12億台になる見通し。コロナショックで消費者の購入意欲が低迷する。次世代高速通信の「5G」もコロナの影響で伸び悩んでおり、2桁のマイナス成長になりそうだ。