日立製作所は2021年に買収した米グローバルロジックから、システム開発やプロジェクトを素早く進める「アジャイル方式」を習得しようと必死だ。「日立時間」とやゆされた文化を変えるのは容易ではないが、新たな日立を形作ろうと現場の奮闘が続く。

■連載予定 ※内容は変更する場合があります
(1)日立の大変革を先導 米グローバルロジックの実力
(2)「日立時間」から脱却 買収企業に学ぶアジャイル文化(今回)
(3)デジタル人材10万人計画 日立が資格・研修総動員
(4)沈む巨艦に大なた 日立歴代トップが構造改革できた理由
(5)日立の東原会長「サイロを壊し、黒船を呼び込んだ」描いた改革戦略
(6)日立は世界で勝てるか DX、敵はシュナイダーやアクセンチュア
(7)日立の小島社長「GAFAのように俊敏でないと負ける」
(8)日立がグローバルリーダーになるには「多様性が不可欠」伊出身常務

 「市場の変化は想像以上に速い。もっとスピードを上げて取り組めないか」

 2022年6月、米国で日立グループのDX(デジタルトランスフォーメーション)のビジネスについて議論するCEO(最高経営責任者)会議が開かれた。会議には、米国で4月に設立された日立デジタルの谷口潤CEO、グローバルロジックのシャシャンクCEOが参加。欧州からもオンラインで、送配電会社の日立エナジーと鉄道会社、日立レールのトップが加わっていた。

 議題は投資戦略などで、経営資源の振り分けを決める重要な会議だ。今春新たに設けられ、今後3カ月に1回のペースで開いていく。

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