東芝の株主総会が終わり、今後の焦点は国内外のファンドから募った会社再編案の選定に移る。物言う株主(アクティビスト)から社外取締役を招いたことに反対した綿引万里子社外取締役は辞任を表明、混乱が収まらない中で波乱の船出となる。

 「これではアクティビストに乗っ取られる会社になってしまう」

 6月28日の昼、東芝の定時株主総会が終わると個人株主の男性は嘆息を交えて語った。取締役候補の13人全員が議決権ベースで過半数の賛成を得て可決され、その中には米ファラロン・キャピタル・マネジメントなどファンド2社の現役幹部、計2人も含まれている。

 再任された綿引氏は、この状況に抗議するため同日辞任した。「毅然(きぜん)とした態度で社員や一般株主のために大株主と対峙できる取締役は、他にどれほどいるのか」と法曹関係者が懸念する。

迫るデュー・デリジェンス

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