東芝は6月22日、4割を出資する半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス株を売却する方針を発表した。キオクシアの上場後に段階的に売却し、売却益から税金などを差し引いた金額の過半を株主に還元する考え。もっとも、キオクシアの成長性には不安要素も残る。

オンラインでの記者会見に登壇した東芝の車谷暢昭社長CEO(最高経営責任者)
オンラインでの記者会見に登壇した東芝の車谷暢昭社長CEO(最高経営責任者)

 「株主への還元方針の基本は変えないが、積極的な姿勢を示したい。キオクシアは米ベインキャピタルなどのコンソーシアムに売却した時点でノンコア事業だ」。車谷暢昭社長CEO(最高経営責任者)は22日に開いたオンラインでの記者会見で、キオクシア株を売却する理由をこう説明した。

 キオクシアは、東芝の半導体メモリー子会社「東芝メモリ」を前身とし、NAND型フラッシュメモリーの開発・製造を手掛ける。米原子力事業の巨額損失で経営危機に陥った東芝が、2018年6月に米投資ファンドのベインキャピタルを軸とする日米韓連合に約2兆円で売却。その後、東芝は議決権ベースで約4割を再出資し、持ち分法適用会社にしていた。

 東芝のメモリー事業は、一時期は連結営業利益の9割を稼ぐ大黒柱だったが、業績のボラティリティー(変動しやすさ)が高いのが課題だった。20年3月期の東芝の連結決算では、営業利益が1304億円と前の期比で3.7倍になった一方で、最終損益が1146億円の赤字に落ち込んだ(前の期は1兆132億円の黒字)。最終赤字の大きな要因が、キオクシアの業績低迷だった。車谷氏はCEO就任当初こそ「4割という出資比率は悪くない」とキオクシア株を保持する方針を示していたが、業績の安定を狙って売却を決断したもようだ。

 記者会見で車谷氏はキオクシア株の具体的な売却時期や割合を明らかにしなかったが、念頭にあるのはキオクシアの上場だろう。早ければ今秋に上場する見通しであり、そこにタイミングを合わせての売却方針の表明となった。

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