「ソニーの経営において、今後も『感動』の軸、感動の主体であるクリエーターとユーザー、『人に近づく』という方向性は変わらない」

経営方針説明会に登壇したソニーグループの吉田憲一郎会長兼社長CEO(オンライン会見の画面をキャプチャー)
経営方針説明会に登壇したソニーグループの吉田憲一郎会長兼社長CEO(オンライン会見の画面をキャプチャー)

 社名変更後、5月26日に初の経営方針説明会を開催したソニーグループ。オンラインでの会見に登壇した吉田憲一郎会長兼社長CEO(最高経営責任者)は、経営トップに就任した3年前に自らが打ち出した方針を継続すると強調した。

 今後の成長の軸に掲げるのが、ゲームや音楽、アニメなどのエンターテインメント領域だ。コンテンツIP(知財)を拡充し、ゲームや音楽など部門間の横展開を加速する。DTC(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)と呼ぶ、顧客と直接つながる配信基盤も強化する。長期的にソニーグループと直接つながる顧客を、現在の約1億6000万人から10億人に拡大する目標も公表した。

 戦略の方向性に驚きはない。経営トップに就任した2018年4月以降、吉田氏はコンテンツIPやDTC関連の買収や出資をエンタメ領域で加速してきたからだ。人気ロックバンド「クイーン」などの著作権を持つ米EMIミュージックパブリッシングの運営会社を完全子会社化したことを皮切りに投資を加速。平井一夫前社長時代を含めると、10社を超える。

ソニーグループはコンテンツIPやDTC関連の買収や出資を加速している(オンライン会見の画面をキャプチャー)
ソニーグループはコンテンツIPやDTC関連の買収や出資を加速している(オンライン会見の画面をキャプチャー)

 こうした流れは24年3月期までの新たな中期経営計画でも変わらない。新中計では、M&A(合併・買収)などの戦略投資枠として2兆円以上を設定。投資先としてコンテンツIPやDTCが最優先であることを明らかにした。22年3月期からの3年間の累計でEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)で4兆3000億円を目指す計画だ。

 長期戦略の継続が際立った今回の経営方針説明会。戦略投資枠やEBITDAなどの数値そのものは、4月末の決算説明会で公表していたこともあり、サプライズに乏しかったのかもしれない。26日の株式市場で、ソニーグループ株はいったんは前日比で値上がりしたものの、最終的には前日比55円安の1万700円で取引を終えた。

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