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新型コロナウイルスの感染拡大で冷え込んだスタートアップへの投資。そんな中、4月1日にコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)を新たに始動させたのがセイコーエプソンだ。同日付で経営トップに就任し、CVCの代表も務める小川恭範社長に狙いを聞いた。

小川恭範(おがわ・やすのり)
セイコーエプソン社長。1988年4月、セイコーエプソン入社。2008年4月VI事業推進部長、17年4月ビジュアルプロダクツ事業部長を経て、18年6月取締役執行役員。取締役常務執行役員を経て20年4月より現職。

新型コロナウイルスの感染拡大が続く4月1日に社長に就任しました。セイコーエプソンへの事業への影響を聞かせてください。

セイコーエプソン小川恭範社長(以下、小川社長):それなりに影響は出ています。在宅勤務など働き方が変わってきていますし、(サプライチェーンの問題などで)製造ラインにも影響はあります。ただすべてがマイナスの影響ではありません。個人向けのインクジェットプリンターは売れています。

 新型コロナが収束した後も在宅勤務は続くでしょうから、企業の新しい需要も生まれます。例えば、情報セキュリティーを担保するために在宅勤務中の印刷をどうすればいいのか。そういった課題の解決策をデジタル技術で提供する必要がある。産業用プリンターでは、分散型の印刷など移動を伴わない技術で使い勝手を高めるビジネスにシフトする可能性もあります。

 我々が持つインクジェットや、プロジェクター、ロボティクスなどの技術をデジタルでどう広げていくかは成長のカギになる。その点で、今回立ち上げたコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)が重要になってきます。

想定していた世界が早く到来

4月1日に業務を開始した「エプソンクロスインベストメント」ですね。なぜこのタイミングだったのでしょうか。

小川社長:我々としてはぶれることなく進めた結果です。むしろ想定していた世界への移行が新型コロナで加速しています。CVCを起点にベンチャーと協業する取り組みをさらに急ぐ必要が出てきています。

CVCのブームは2~3年前で、このタイミングでの設立はやや遅く感じます。いつから検討していたのですか。