
VAIOは3月29日、ノートパソコンの新シリーズ4種を発表した。ディスプレーが14インチと16インチのモデルを個人向けと法人向けでそれぞれ6月から受注開始する。山野正樹社長は会見で「この製品を皮切りに、2024年5月期以降に海外展開を本格化させる」と表明した。
今回発表したVAIOシリーズは個人向けモデル「F14」「F16」と、法人向けモデル「Pro BM」「Pro BK」の4種類。同社は高価格帯の製品を中心に手掛けてきたが、これらは普及価格帯で戦略商品の位置付けだ。直販サイトでの価格はどちらも税込みで個人向けが13万1800円から、法人向けが16万6100円からになる。
特にテレワークでの使用を想定しており、大型ディスプレー、静音キーボードなどに加え、AI(人工知能)によるノイズキャンセリング機能を搭載した。集音性能を高めたマイクを搭載し、PC前に座った人の周囲の音だけを拾えるようにした。ノイズキャンセリング機能を使うとAIがノイズを1000分の1に抑えるため、マイクの集音範囲外の音は聞こえにくくなる。こうした工夫により、オンライン会議中に隣で別の会議が始まったとしても、自分の声だけが相手に届きやすくなる仕組みだ。見た目もシンプルで使いやすい「定番となる商品」を目指したという。
VAIOはソニー(現ソニーグループ)のパソコン事業からスピンアウトして14年に誕生した。その翌年には海外進出を表明しており、米国や欧州、ブラジルなどで事業を進めてきた。
だが、現地メーカーとパートナーシップを結んでライセンス販売するケースが多く、自社で設計・製造した商品はほとんどない。足元の海外売上高比率も5%未満だ。山野社長は「海外向けにはごく限定的な展開しかしていなかった」と振り返る。
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