会社再編を巡って混乱の続く東芝。3月24日の臨時株主総会を目前にしたタイミングで、経営陣を大幅に刷新するという荒療治に踏み切った。会社を2分割するか否かを問うイベントを控え、社内の指揮・命令系統が様変わりするという異例の展開だ。防衛産業や福島第1原子力発電所の廃炉などにも関わる東芝は、日本の国民生活にも密着している。巨大企業がいったいどうなるのか。ヒントを探るため日経ビジネスのこれまでの報道をまとめる。

(写真:AFP/アフロ)
(写真:AFP/アフロ)

混乱の原点、7年前の粉飾決算

 12万人もの従業員を抱え、日本の社会インフラや経済安全保障に深く関わる東芝。これほど重要な企業が、なぜ迷走を続けているのか。その原点は、2015年に発覚した粉飾決算だ。このときに膿を出し切る覚悟がなかったことが、ずっと尾を引くことになった。

 15年11月、日経ビジネスが入手した内部資料により、東芝の隠蔽体質が改めて浮き彫りとなった。06年に買収した原子力子会社の米ウエスチングハウス(WH)で計1600億円の減損が発生していたことが判明した。子会社単体では2年連続で赤字に陥っていたが、本誌が指摘するまで東芝は事実を開示しなかった。同社はそれまでほぼ一貫して原発関連事業は好調だと説明してきたが、対外的な説明と内情が全く違っていたことが明らかになった。

 17年3月に東芝は、WHなど2社が米連邦破産法11条(チャプター11、日本の民事再生法に相当)の適用を申請したと発表した。2社の負債総額は98億ドル(約1兆900億円)。

 東芝は親会社としてWHの債務を保証していた。17年2月末時点で6500億円規模に達し、その金額を全額引き当て計上した。さらにWHに対して1756億円の債権を保有していた。これらの要因が重なった結果、17年3月期の最終赤字は1兆100億円に拡大する想定となった。

 債務超過が続くと上場廃止基準に抵触する。このリスクを回避するため、東芝は袋小路に追い込まれていく。

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