東芝経営陣が物言う株主(アクティビスト)に対して「反撃ののろし」を上げた。3月の臨時株主総会で「過半数の賛成」を得ることで、会社分割に反対する少数の株主を押し切りたい考えだ。分割ではなく非公開化の検討を求める株主提案にも反対の姿勢を示す。

 「過半数の株主の意思を尊重すべきだ」。2月14日、東芝の綱川智社長兼CEO(最高経営責任者)はオンラインで開いた記者会見でこう語った。同社は3月24日に臨時株主総会を開き、会社2分割案への賛否を問う。綱川社長は複数の大株主が求めている「3分の2の賛成」ではなく、50%超の賛成を勝敗ラインにする考えを示した。

 企業の形を大きく変える会社分割では多くのケースで3分の2以上の賛成によって可決する特別決議が必要となるが、「(会社案に反対する)少数の株主の意向を尊重することになりかねない」と綱川社長は会見で述べた。そのため、臨時株主総会では過半数の賛成を承認基準とする普通決議を通じて「株主の中間的な意向を伺う」(東芝)としている。法的拘束力はない。

 過去4年ほど、東芝は発信力が強いアクティビストに翻弄されてきた。一方で主要アクティビストが持つ議決権の合計は3割弱とみられる。東芝経営陣は過半の株主が「サイレントマジョリティー(物言わぬ多数派)」であると想定し、彼らを味方にすることで3月の臨時株主総会を押し切る考えのようだ。ここで弾みをつけ、2023年6月をめどに開く定時株主総会では法的拘束力を持つ形式で会社分割を決議する方針とみられる。綱川社長は「引き続きすべてのステークホルダーの意見にしっかりと耳を傾ける」としている。

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