東芝経営陣が打ち出した3分割案に対し、同社の労働組合が不安を示している。2年かけて分社した後の成長戦略が提示されておらず、働き手にきちんと説明するよう要求。ただ、会社側は現計画に異を唱える大株主対策に追われ、状況は混沌としている。

 東芝の労働組合は、会社の3分割で従業員にメリットが出るのか具体的に示すよう、会社側に要望を出した。東芝は2023年度下期に3分割し、そこでスピンオフする2社の上場を果たす計画だが、それ以降のプランを示していない。とくに組合は「将来に向けた投資」が滞っていることを憂慮。投資額を抑え込んでいる社内ルールを緩め、成長戦略を示すよう求めている。

東芝の労働組合は、経営陣の打ち出した3分割案に不安を示している(写真:アフロ)
東芝の労働組合は、経営陣の打ち出した3分割案に不安を示している(写真:アフロ)

 複数の関係者によると、21年11月に東芝が3分割案を公表してから組合側への説明も始まったという。会社がインフラ、デバイス、資産管理という3社に分かれても、基本的には現在の仕事をそのまま続け、賃金体系も引き継ぐといった内容だったという。しかし、大株主から3分割への反発も出ており、目先の利益創出へとさらなる事業売却の可能性も取り沙汰されている。会社の将来像が不透明なことに、不安が広がっている。

 従業員からは「会計不祥事を乗り越えたのに何を軸に成長したい会社なのか将来像が見えない」「これまで医療関連も家電事業も売却してきたが、そろそろスピンオフ以上の中身が必要」といった声も出てきている。これまで会社側は、具体的な成長戦略について「2月に回答する」と組合に伝えていた。東芝は7~8日に投資家向けの説明会を開く予定で、ここで綱川智社長CEO(最高経営責任者)らがプレゼンする。その後に再び組合とも話し合うとみられる。

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