ソニーグループは1月31日(米国時間)、傘下のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が大手ゲーム開発会社の米バンジーを36億ドル(約4100億円)で買収すると発表した。買収額はソニー史上3番目となる。一方、ゲーム業界では1月下旬に米マイクロソフト(MS)が8兆円規模で米ゲーム会社のアクティビジョン・ブリザードの買収を発表済みだ。潤沢な資金で買収攻勢を強めるMSに、ソニーはどう対抗するのか。

「50億ドル以内」という不文律があるのだろうか。ソニーがこれまで最高額を投じたのは1989年の米大手映画会社コロンビア・ピクチャーズ・エンタテインメントの買収だ。「未知との遭遇」や「ランボー」など多くのヒット作を持つ同社の買収額は約48億ドル(当時の為替レートで約6700億円)。日本企業による米国での企業買収としては当時、史上最高額。「アメリカの魂を買った」という反発もあったほどだ。3000本規模の映画のフィルムライブラリーを手に入れ、映像コンテンツ作りに本格進出した。
2番目は2018年のEMIミュージックパブリッシングの買収だ。英ロックバンド「クイーン」など200万を超える楽曲数の著作権を持つ同社の企業価値を、負債も含めて47.5億ドルと試算して子会社化した。そして今回、同じエンターテインメント業界のゲーム部門でバンジーの買収を決めた。
2月2日、21年4~12月期の決算会見に出席したソニーの十時裕樹副社長兼CFO(最高財務責任者)は「(バンジーの)ライブサービスゲーム技術を、プレイステーション(PS)向けソフトの開発スタジオもぜひ学びたいと思っている」と期待感を示した。オンラインのコンテンツを充実させることで継続的に利用者を集めて収益を生み出す、ライブサービスゲームを強化する狙いだ。そのうえでバンジーも「自社のIP(知的財産)を、ソニーの映画や音楽などを育てるプラットフォームを活用し花開かせることに興味を持っている」(十時CFO)と言及した。
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