NECは1月、携帯電波から行方不明者の位置を特定する事業会社を米国で発足させたと発表した。自社技術を使ってシリコンバレーから会社を興す施策の一環で、技術を早く事業化することを目指している。この取り組みの下で9社が誕生。「客員起業家」ら外部人材との事業化が軌道に乗り始めているようだ。

新事業を創出するNEC米子会社のNEC Xが、ニューヨーク州に捜索支援サービスのフライハウンドを設立した。行方不明者が持つ携帯の電波をドローンがとらえ、コントローラー画面に対象者の電波から得た位置情報を示す。
フライハウンドのマニー・サーニリヤCEO(最高経営責任者)は「警察や消防など公的機関をサポートできる」と語る。赤外線カメラを搭載した従来の捜索用ドローンでは、建物や樹木でカメラの視界が遮られる懸念があった。新サービスは電波を識別するため、早く発見できる可能性が高まる。NECはグループにAI(人工知能)や通信など幅広い知見を持ち、今回は欧州研究所の技術を活用した。

今回の新会社設立は、2018年7月に事業を始めたNEC Xの成果の一つ。当時、画像認識やデータ分析などの技術をビジネスに結びつけるスピードが遅いことが課題になっていた。社内のアイデアを市場に出せるようになるまで数年かかり、その間に同じような技術・サービスが世の中に出てきてしまう懸念があった。
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