シリーズ
橋本宗明が医薬・医療の先を読む

(写真:PIXTA)
125回
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塩野義、革新的な抗菌薬の世界供給へ一歩前進
塩野義製薬は6月15日、非営利のグローバルヘルス組織と連携して、薬剤耐性(AMR)を持った細菌に有効な新規抗菌薬セフィデロコルのグローバル供給に向けた取り組みを開始すると発表した。だが、まだ課題は山積している。
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第一三共の抗がん剤が学会で喝采を浴びたわけ
世界中のがん専門家が集う米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会で、第一三共の抗がん剤「エンハーツ」の臨床試験の結果が発表されると聴衆はスタンディングオベーションを送った。なぜか。
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楽天メディカル、光免疫療法のプロジェクト始動 がん患者救えるか
楽天メディカルは、制御性T細胞という免疫に関わる細胞を標的としたがん治療法の開発について国立研究開発法人の日本医療研究開発機構(AMED)と契約したと発表した。光免疫療法薬の第2弾となる新プロジェクトでは、肝臓に転移した…
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新型コロナで化けたmRNA医薬の巨人、米モデルナの次の一手
新型コロナウイルス感染症に対するメッセンジャーRNAワクチンをいち早く全世界に供給して巨大企業になった米モデルナ。オミクロン型などの変異型に効果が期待される次期製品は、自社で日本に供給する計画だ。
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武田薬品、ウェバーCEOが長期成長に自信を見せる理由
アイルランドのシャイアー買収時に膨れ上がった有利子負債削減のめどを付け、2022年度に増収と2桁の営業増益になるとの見通しを発表した武田薬品工業。長期成長に向けてどのようなシナリオを描くのか。
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第一三共、期待の抗がん剤エンハーツはどこまで大型化するか
2025年度に売上収益を現在の1.5倍以上に拡大する中期経営計画の目標を掲げる第一三共。けん引役の抗がん剤エンハーツは、既存の分子標的薬が対象としていなかった乳がん患者にも効果が期待できるという。
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COVID-19ワクチン立役者を支えた「ネバーギブアップ精神」
新型コロナウイルス向けワクチンの実用化に寄与する研究を行い、ノーベル賞の有力候補とされる、ドイツのビオンテックのカタリン・カリコ上級副社長と米ペンシルベニア大学のドリュー・ワイスマン教授が来日し、会見を行った。
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三木谷氏、父への思いが結実 楽天メディカルががん新治療法
楽天メディカルの新しいタイプのがん治療が、日本の医療機関の間に徐々に浸透している。日本人研究者が考案した光免疫療法がそれ。日本以外の国では比較試験を実施中で、対象疾患を広げる臨床試験などにも取り組んでいる。
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次のパンデミックに備え、ワクチン開発の司令塔が始動
新型コロナウイルス感染症に対して欧米に比べてワクチンの導入が遅れた反省から、国は次のパンデミック(世界的大流行)に備えたワクチンの研究開発の司令塔となる組織を設置した。2022年4月4日には初の戦略推進会合を開き、ワクチ…
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世代交代果たした中外製薬 外部連携でも「独自流」貫く
3月29日付で小坂達朗会長と上野幹夫副会長が退任した中外製薬。ロシュとの提携の「申し子」と言える奥田修社長最高経営責任者(CEO)への世代交代が完了した。その奥田社長CEOがこだわる「独自流」とは。
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武田薬品・ウェバー社長の決意 「240年後も強い会社に」
約6兆円を投じる「世紀のM&A」で世界トップ10に入る巨大製薬企業への道を開いた武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長兼CEO(最高経営責任者)。研究開発も海外主導で、経営チームの出身国も多様な、真のグローバル企業へと変…
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武田薬品が見せる二つの顔 240年の伝統と究極のグローバル化
これほど急速にグローバル化を進めた日本企業がこれまでにあっただろうか。武田薬品工業は同業大手の「6兆円買収」を経て、従業員もビジネスも行動指針も世界基準となった。2014年に社長に就任したクリストフ・ウェバー氏(15年か…
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エーザイ、2つの認知症薬開発でスタンスが異なる理由
2021年6月に米食品医薬品局(FDA)が条件付きで迅速承認したエーザイと米バイオジェンによる共同開発品の抗アルツハイマー病薬「アデュヘルム」(アデュカヌマブ)。対症療法ではなく、疾患そのものを治療する初のアルツハイマー…
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「オプジーボ頼み」からの脱皮目指す小野薬品、脂質サプリの勝算
小野薬品工業はマルハニチロと健康食品分野における機能性表示食品の商品開発で協業すると発表した。マルハニチロが提供した水産物由来の機能性素材を用いてサプリメントを開発するという。2014年に抗がん剤「オプジーボ」を発売して…
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コロナ関連で追い風の中外製薬、1兆円企業の仲間入りに挑戦
中外製薬の2022年業績予想によると、売上収益は前年同期よりも15%増加して初めて1兆円の大台に乗る見通しだ。営業利益も4400億円の予想で、実現すれば6期連続で売上収益、営業利益、当期利益が過去最高を更新する。死角はな…
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トラフグの成長速度約2倍、ゲノム編集で漁業を成長産業に
肉厚のマダイは、ゲノム編集技術により、筋肉が過剰に形成されるのを抑える遺伝子を働かないようにした。その結果、可食部の筋肉の量が約1.2~1.6倍に増え、飼料利用効率は14%改善した。
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ゲノム編集トマトで「ギャバ20倍」も、SNSでコンテスト
ギャバは様々な生物が持つアミノ酸の一種で、血圧や睡眠に関する機能性を表示したサプリメントなどが販売されている。通常のトマトにもギャバは含まれているが、ゲノム編集したトマトではギャバの含有量が通常のトマトの20倍以上という…
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トマト、マダイ、トラフグ……、ゲノム編集食品が市場へ
生物の遺伝情報であるゲノムをピンポイントで書き換えるゲノム編集技術。この技術を使って品種改良した農水産物が、事実上の販売認可を得始めた。SNSなどで認知され、オンライン中心で販売され、一般の食卓に上っている。
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製薬業界団体トップ「保険給付の見直しを」 踏み込んだ発言の理由
新薬メーカーなどからなる日本製薬工業協会(製薬協)の岡田安史会長(エーザイ最高執行責任者)は1月20日に記者会見を行い、社会保障制度全般について「従来の枠組みを超えた国民的議論が必要だ」と訴えた。これまでにない踏み込んだ…
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新種の抗がん剤に挑む中外製薬 中分子創薬も「急がば回れ」で
中分子医薬品を第3の柱にすると2016年1月に宣言した中外製薬。21年10月に中分子創薬品の第1号となる抗がん剤「LUNA18」の臨床試験を開始し、約800億円を投じて中分子医薬品などの製造設備を整備することも決めた。中…
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グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
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この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回