シリーズ
橋本宗明が医薬・医療の先を読む

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安倍首相辞任「潰瘍性大腸炎」アサコールに続く治療法は
安倍晋三総理が辞任の理由として挙げた潰瘍性大腸炎は、難病に指定されたやっかいな病気だ。だが、こうした難治症例に使える新薬もここ数年の間に続々と登場している。
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30年間7万人調査「親子3代健康情報」でバイオ宝探し
東北大の東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)はこのほど、合計7万人分の出生三世代コホートのバイオバンクの提供を開始した。出生児とその両親、祖父母の健康医療情報と血液、尿などの生体試料から成る「出生三世代コホート調…
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成長のための別れ、武田薬品がOTC事業譲渡
武田薬品工業が大衆薬(OTC)事業の譲渡を決めた。譲渡先は米投資ファンドのブラックストーン・グループとその関係会社が運用するプライベートエクイティファンドが管理する買収目的会社である。
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2年後に運用目指す電子処方箋も、課題は「はんこ」
テレワークの阻害要因としてやり玉に挙がる印鑑だが、医療の現場でもやはり押印が問題となっている。医師は患者に処方箋を渡す際に、そして薬剤師は調剤した際に、処方箋に記名押印または署名しなければならないと、医師法の施行規則と薬…
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ESGの何が企業価値向上に寄与しているか、エーザイが独自分析
「女性管理職比率が1割改善すると7年後のPBRが2.4%上がる」「育児時短制度利用者を1割増やすと9年後のPBRが3.3%向上する」――。ESG投資が広がりを見せる中、エーザイではESGにつながる取り組みがどう企業価値の…
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エーザイの挑戦が一歩前進 アルツハイマー病治療薬の共同開発
米食品医薬品局(FDA)が、エーザイと米バイオジェンが共同開発しているアルツハイマー病治療薬候補のアデュカヌマブの承認申請を受理した。一度、臨床試験が中止に追い込まれたアデュカヌマブだったが、今回はどうなるか。
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三菱ケミカルHDトップ、ヘルスケア事業に注力の思惑
8月7日に三菱ケミカルホールディングスの越智仁社長がオンラインで記者懇談会を開催した。話題は広範に及んだが、ここではヘルスケア事業の話題を取り上げる。
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バイオベンチャー初値2倍、珍しい「黒字上場」の理由
遺伝子を操作する「ゲノム編集」という技術を応用したバイオベンチャー、モダリスが8月3日に新規株式公開(IPO)した。公開価格は1200円だったが、上場初値は公開価格の2.1倍の2520円、初日の終値は2230円、株式時価…
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アストラゼネカとの提携で開発力を買った第一三共
第一三共と英アストラゼネカは7月27日、開発中の抗がん剤DS-1062のグローバルな開発と販売で提携したと発表した。今回、新たな抗がん剤について契約を交わした。
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「論文は知識の最終産物ではない」大手科学誌幹部が斬る
論文撤回の背景には、新型コロナの感染拡大で査読が甘くなっている事情はありそうだ。一方で、緊急性の高い内容の論文の検証にどこまで時間をかければいいのかという課題もある。医学雑誌の担当マネジャーに話を聞いた。
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新薬量産期に入った中外製薬、新技術「改変抗体」も実用化
中外製薬の快進撃が止まらない。2020年12月期上期の売上収益は前年同期比14.9%増の3681億円、営業利益は同38.8%増の1437億円と、コロナ禍にもかかわらず上期として過去最高となった。スイス・ロシュとの提携で主…
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カルテ・診療情報から「疾病リスク」診断、健康ビジネスで活用
医療機関にある電子カルテや各種の検査などの情報や、健康保険組合が有する診療報酬明細書(レセプト)、調剤報酬明細書(調剤レセプト)などのデータ活用分野が広がりつつある。これまでは製薬企業と大学などの研究機関での活用が中心だ…
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感染者探しに腐心する新型コロナの研究現場、偏見も壁に
国立感染症研究所免疫部の高橋宜聖部長は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する臨床研究で頭を悩ませている。臨床研究に協力して血液を提供してくれる感染経験者が期待通りに現われてくれるか分からないからだ。
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尿検査や聴診、イスラエルの技術で日本のオンライン診療は変わるか
ヘカバイオデジタルヘルス(東京・中央、ヨアブ・ケイダー代表取締役)は7月3日、メディア向けのウェブセミナーを開き、オンライン診療のプラットフォーム「メディゲート」β版の開発を完了したことを紹介した。既存のオンライン診療向…
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新型コロナ克服へ、ワクチンは「競争より協調」米バイオ医薬品業界
米国に拠点を持つ製薬企業など33社で構成する米国研究製薬工業協会(PhRMA)がオンライン記者説明会を開催し、新型コロナウイルス感染症に対するバイオ医薬品業界の取り組みについて説明した。約400の薬物療法の可能性が検討さ…
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新型コロナ向けワクチンの日本供給、仏製薬大手のスタンスは?
世界のワクチン市場は、メルク、ファイザー、グラクソ・スミスクラインとサノフィの4社による寡占化が進みつつある。新型コロナウイルス感染症に対しては、多くの製薬企業やワクチンメーカーが治療薬やワクチンの開発を進めているが、日…
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楽天系医薬品ベンチャー、革新的「光免疫療法」実用化へ
楽天メディカルジャパン(東京・世田谷、虎石貴社長)が、光免疫療法に用いる新しいタイプの抗がん剤を2020年3月に、日本で製造販売承認申請していたことを発表した。申請は、厚生労働省の「医薬品条件付き早期承認制度」を活用して…
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柳井氏「100億円寄付」が問いかける企業の基礎研究支援
ファーストリテイリングの会長兼社長の柳井正氏は6月24日、個人として京都大学に100億円を寄付すると発表した。本庶佑氏と山中伸弥氏という2人のノーベル賞受賞者による研究に、それぞれ50億円ずつを寄付する。基礎研究への投資…
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新型コロナ「分子地図」構築で世界の研究者が結集
沖縄科学技術大学院大学(OIST)教授の北野宏明氏らは、世界の研究者と協力し合って新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の分子地図のデータベース構築を開始した。3月中旬に始まったプロジェクトで、世界29カ国81機関…
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急拡大したオンライン診療、依然高い「初診から」の壁
規制緩和によって、オンライン診療を行う医療機関は急増している。従来、オンライン診療は高血圧や糖尿病、ぜんそくなどの慢性疾患に限られ、6カ月以上の対面診療を行い、緊急時に30分以内に診療できる患者にしか実施できなかった。だ…