シリーズ
橋本宗明が医薬・医療の先を読む

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「がん治療用のウイルス」とは何か、第一三共が承認申請
第一三共は東京大学医科学研究所と共同開発しているがん治療用ウイルスG47Δ(一般名テセルパツレブ)について、厚生労働省に承認申請したと発表した。ウイルスでがんを治療するとはいったいどういうことなのか。
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ファイザーが日本でも承認申請、国産ワクチンの実用化には壁
米ファイザーと独ビオンテックは、新型コロナ予防ワクチンを日本でも承認申請した。日本企業ではアンジェスに続いて塩野義製薬が臨床試験を開始。第一三共などが後を追う。日本企業にとっては、発症予防効果を調べる臨床試験の実施が大き…
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日本の大手もコロナワクチンの治験開始、塩野義は悲願を果たせるか
塩野義製薬は2020年12月16日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する予防ワクチンの臨床試験を開始したと発表した。米ファイザーとドイツのビオンテックのワクチンの接種が米英で始まったことに比べると出遅れた…
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武田薬品、2030年度売上収益5兆円に自信たっぷり
武田薬品工業は2020年12月9日、開発中の品目のうち2024年度までに発売する予定の「ウエーブ1」と称している12の候補品に関する説明会を開催。プレゼンテーションを行ったクリストフ・ウェバー社長CEOは、「2030年度…
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王子HDがバイオベンチャーと資本業務提携のなぜ
王子ホールディングス(HD)は11月27日、バイオベンチャーのレクメド(東京都町田市、松本正社長)と、共同開発およびレクメドに出資する資本業務提携を決定したと発表した。紙・パルプ業界で国内売上高第1位の王子HDがバイオベ…
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スパコン富岳、新型コロナ飛沫シミュレーションの威力と限界
百聞は一見にしかずの言葉通り、目で見せられるとなるほど非常に分かりやすい。理化学研究所が開発主体となって開発・整備を進めている世界最高レベルのスーパーコンピューター「富岳」を使った新型コロナウイルスの飛沫(ひまつ)感染の…
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下水を使ったコロナ監視、リアルタイム性に期待
「新型コロナウイルスの流行状況を、下水を利用して把握できないか」。そんなコンセプトの研究を行っているのが山梨大学大学院総合研究部付属国際流域環境研究センターの原本英司教授だ。新型コロナウイルスが無症状の感染者の便の中にも…
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禁煙治療用アプリに健康保険を初適用へ
CureAppの治療用スマートフォンアプリの保険償還価格(健康保険から医療機関に支払われる価格)は2万5400円とすることが了承された。日本初の治療用アプリとして申請が承認された。
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ファイザーのワクチン、90%に有効もデータに限りあり
米ファイザーとドイツのビオンテックは11月9日、両社で開発中の新型コロナウイルス感染症に対するワクチンについて、第3相臨床試験のデータを中間解析したところ、90%以上の有効性を示したと発表した。ワクチンの接種により感染リ…
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降って湧いたADC特許訴訟に困惑の第一三共
第一三共の将来の業績をけん引するとして注目されているのが、抗体医薬に薬物を結合した「抗体薬物複合体(ADC)」と呼ばれる新しいタイプの抗がん剤だ。同社はDS-8201、DS-1062、U3-1402の3品目を「3ADC」…
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中外製薬「抗体エンジニアリング技術」の破壊力
注目すべきは中外製薬独自の「抗体エンジニアリング技術」を適用した新薬や候補品などの動向だ。「抗体医薬」はヒトや動物が持つ免疫の仕組みを利用した医薬品。体内に抗原と呼ばれる異物が入るとそれを排除するために抗体がつくられる。…
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「無症状者にPCR検査しても感染は抑えられない」と尾身氏
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会会長の尾身茂氏は10月14日、バイオ産業のイベントで基調講演を行った。PCR検査に関して強調したのは、「PCR検査を増やした結果、感染を抑えられたという証拠がない」という点だ。
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塩野義、中国保険大手と合弁の売上高700億円超へ
塩野義製薬と中国平安保険グループは10月13日、上海と香港に設立した合弁会社の平安塩野義の事業計画に関する説明会を開催した。両社は3月に塩野義51%、中国平安保険49%の出資比率で合弁会社を設立することで合意した。
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ノーベル化学賞「ゲノム編集」が日本企業に生むビジネスチャンス
スウェーデン王立科学アカデミーが10月7日、2020年のノーベル化学賞の受賞者に選んだのは、生物の遺伝子を簡単に書き換えるゲノム編集技術であるクリスパー・キャス9を開発したエマニュエル・シャルパンティエ氏と、ジェニファー…
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ノーベル賞「C肝ウイルス発見」、3氏研究連携の妙
10月5日に発表されたノーベル生理学・医学賞には、C型肝炎ウイルス(HCV)の発見に貢献した研究者3人が選ばれた。HCVは血液を介して感染し、慢性肝炎を引き起こして肝硬変や肝がんの発症につながる。受賞者に選ばれた3人の研…
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楽天・三木谷氏、個人資産投じた新たながん治療薬実用化へ
楽天メディカルジャパンは、厚生労働省から光免疫療法と呼ばれる新たなタイプのがん治療に用いる医薬品「アキャルックス」の承認を取得。29日に記者説明会を開催した。楽天の三木谷浩史氏が私財を投じて開発を後押しし、実用化ステージ…
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出産予約が減少 コロナで少子化が加速する懸念
感染症などの急性期の患者が多い小児科は外来患者の数が減り、診療所が経営危機にひんしている。日経メディカルが3月と6月に会員の医師を対象に実施した調査では、ともに全診療科の中で小児科が最も患者減少の影響を受けていた。何らか…
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キリンHD、iPS細胞スタートアップと共同研究を始めた狙いは?
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の研究を基に発足したスタートアップのリジェネフロは9月9日、キリンホールディングス(HD)と共同研究契約を締結したと発表した。リジェネフロはiPS細胞から腎臓の元になる細胞をつくり出し…
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家庭で「睡眠の質」評価、筑波大発ベンチャーが商品化
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史機構長が取締役会長CSOを務める筑波大学発ベンチャーのS'UIMINは、このほど自宅で高精度な測定ができる睡眠計測サービス「InSomnograf」の提供を開始した。
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武田薬品の大衆薬事業、投資会社傘下で示された経営方針
8月24日に武田薬品工業の大衆薬子会社である武田コンシューマーヘルスケア(TCHC)を買収すると発表した米ザ・ブラックストーン・グループが、TCHCと共同で記者会見を開催した。ブラックストーン傘下で、武田薬品の大衆薬事業…