シリーズ
橋本宗明が医薬・医療の先を読む

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エーザイのアルツハイマー病新薬、社会に対する価値を示せるか
エーザイは米バイオジェンと共同開発しているアルツハイマー病治療薬のレカネマブについて、早期アルツハイマー病患者を対象とした大規模比較試験で良好な結果を得たと発表。2023年にも日米欧での承認取得を見込む。アルツハイマー病…
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モデルナCEO来日で熱弁、mRNAをアプリに例える真意とは
新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの開発と世界供給で成功を収めた米モデルナのステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)がこのほど来日。日本でのワクチン工場建設を視野に入れて政府と協議中であることを明かした。そのバ…
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住友ファーマ、社名変更してもなお、道は険しく
2022年4月1日に、大日本住友製薬から社名変更した住友ファーマ。主力の抗精神病薬「ラツーダ」の米国での独占期間が22年度中に終了し、業績的には苦境を迎える。新薬が思い通りに育たない中、研究開発費を抑えながら次代の屋台骨…
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武田薬品との提携でワクチン実用化した米ノババックスの戦略
2022年4月に武田薬品工業が日本で4番目のコロナワクチンとして承認を取得した「ヌバキソビッド」。米ノババックスから製造技術を導入し、日本でのライセンスを受けて製造した遺伝子組み換えたんぱく質ワクチンだ。ノババックスは製…
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「大麻草から医薬品」の現実味、サプリにも使えるCBDとは
大麻草の主成分の1つであるカンナビジオール(CBD)を有効成分とする医療用医薬品が、規制のために日本では扱えない状況だ。これを改めるために大麻取締法見直しの議論が進められている。CBDを機能性素材として利用した化粧品やサ…
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中外製薬、血友病治療薬の世界シェア拡大に自信
2022年上期に2桁の増収増益と好業績を実現した中外製薬。ロナプリーブやアクテムラなどの新型コロナ薬の貢献が大きいが、血友病治療薬ヘムライブラが世界シェアを拡大したことも大きい。だが、血友病治療薬は競合品の開発も進む。ヘ…
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武田薬品が「細胞医薬」の国内製造に挑戦したわけ
武田薬品工業が2021年11月に発売した細胞医薬は、大阪市内にある工場で国内製造したものだ。もともとスペインの工場で製造していた製品の製造や試験の技術を、新型コロナウイルス禍による移動困難な状況下で、拡張現実(AR)など…
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アステラス、イノベーションを生む組織風土へ改革
アステラス製薬は目下、イノベーションを実現するための人材育成や組織文化の醸成に取り組んでいる。背景にあるのは、「現状のままでは他社に劣後する」という安川健司社長CEOの危機感だ。どのような危機感を抱き、どのような改革を進…
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塩野義の“コロナ飲み薬”、承認の可否判断が先送りされたわけ
厚生労働省は6月22日の夜に専門部会を開催し、塩野義製薬が緊急承認制度を使って申請していた抗ウイルス薬の承認可否を審議した。しかし、結論には至らず、7月にも開催の会議に判断を先送りした。そのわけは?
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塩野義、革新的な抗菌薬の世界供給へ一歩前進
塩野義製薬は6月15日、非営利のグローバルヘルス組織と連携して、薬剤耐性(AMR)を持った細菌に有効な新規抗菌薬セフィデロコルのグローバル供給に向けた取り組みを開始すると発表した。だが、まだ課題は山積している。
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第一三共の抗がん剤が学会で喝采を浴びたわけ
世界中のがん専門家が集う米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会で、第一三共の抗がん剤「エンハーツ」の臨床試験の結果が発表されると聴衆はスタンディングオベーションを送った。なぜか。
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楽天メディカル、光免疫療法のプロジェクト始動 がん患者救えるか
楽天メディカルは、制御性T細胞という免疫に関わる細胞を標的としたがん治療法の開発について国立研究開発法人の日本医療研究開発機構(AMED)と契約したと発表した。光免疫療法薬の第2弾となる新プロジェクトでは、肝臓に転移した…
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新型コロナで化けたmRNA医薬の巨人、米モデルナの次の一手
新型コロナウイルス感染症に対するメッセンジャーRNAワクチンをいち早く全世界に供給して巨大企業になった米モデルナ。オミクロン型などの変異型に効果が期待される次期製品は、自社で日本に供給する計画だ。
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武田薬品、ウェバーCEOが長期成長に自信を見せる理由
アイルランドのシャイアー買収時に膨れ上がった有利子負債削減のめどを付け、2022年度に増収と2桁の営業増益になるとの見通しを発表した武田薬品工業。長期成長に向けてどのようなシナリオを描くのか。
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第一三共、期待の抗がん剤エンハーツはどこまで大型化するか
2025年度に売上収益を現在の1.5倍以上に拡大する中期経営計画の目標を掲げる第一三共。けん引役の抗がん剤エンハーツは、既存の分子標的薬が対象としていなかった乳がん患者にも効果が期待できるという。
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COVID-19ワクチン立役者を支えた「ネバーギブアップ精神」
新型コロナウイルス向けワクチンの実用化に寄与する研究を行い、ノーベル賞の有力候補とされる、ドイツのビオンテックのカタリン・カリコ上級副社長と米ペンシルベニア大学のドリュー・ワイスマン教授が来日し、会見を行った。
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三木谷氏、父への思いが結実 楽天メディカルががん新治療法
楽天メディカルの新しいタイプのがん治療が、日本の医療機関の間に徐々に浸透している。日本人研究者が考案した光免疫療法がそれ。日本以外の国では比較試験を実施中で、対象疾患を広げる臨床試験などにも取り組んでいる。
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次のパンデミックに備え、ワクチン開発の司令塔が始動
新型コロナウイルス感染症に対して欧米に比べてワクチンの導入が遅れた反省から、国は次のパンデミック(世界的大流行)に備えたワクチンの研究開発の司令塔となる組織を設置した。2022年4月4日には初の戦略推進会合を開き、ワクチ…
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世代交代果たした中外製薬 外部連携でも「独自流」貫く
3月29日付で小坂達朗会長と上野幹夫副会長が退任した中外製薬。ロシュとの提携の「申し子」と言える奥田修社長最高経営責任者(CEO)への世代交代が完了した。その奥田社長CEOがこだわる「独自流」とは。
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武田薬品・ウェバー社長の決意 「240年後も強い会社に」
約6兆円を投じる「世紀のM&A」で世界トップ10に入る巨大製薬企業への道を開いた武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長兼CEO(最高経営責任者)。研究開発も海外主導で、経営チームの出身国も多様な、真のグローバル企業へと変…