
「薬剤師になって30年以上になるが、こんな経験をしたのは初めて」
首都圏のある民間総合病院のすぐ近くに構える薬局。ここで管理薬剤師を務めるAさんは、医薬品の供給不足に振り回される日々が続いている。医薬品を注文した卸から毎朝届くファクスに並ぶのは「納期未定」の文字だ。
「医師から処方された日数分の薬が足りず、3日目まではこの薬、10日目以降はこの薬などと、1人の患者さんに3つのメーカーの薬を渡したこともある。患者さんが混乱しないか心配だ」と話すAさん。在庫管理や卸への連絡に手を取られ、本来力を入れるべき服薬指導などの対人業務に時間を割けないでいるという。
特に問題視しているのが、服薬を止めてはいけない「てんかん」の薬まで調達が困難なことだ。「90日以上の長期処方の患者さんが多いので、10日分とか2週間分にしてもらって何とかしのいでいるのが実情だ。こんな状況がいつまで続くのだろうか」と不安を募らせる。
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この記事はシリーズ「橋本宗明が医薬・医療の先を読む」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
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