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 塩野義製薬と中国平安保険グループは10月13日、上海と香港に設立した合弁会社の平安塩野義の事業計画に関する説明会を開催した。

 両社は3月に塩野義51%、中国平安保険49%の出資比率で合弁会社を設立することで合意。製薬企業と保険会社という異例のタッグで、中国やアジアでの事業化を模索してきた。塩野義にとっては、既存の製薬産業のビジネスモデルの先行きが不透明になる中で、新たなビジネスモデルを模索する狙いがある。

説明会で話す手代木功・塩野義製薬社長

 中国平安保険は、中国深センに本社を置く保険会社だ。株式時価総額は20兆円を超え、独アリアンツや仏アクサを上回って、保険会社としては世界第1位だ。馬明哲会長が1988年に起業し、保険事業を皮切りに、銀行事業、投資事業、インターネット金融などへと事業を拡大して、一大金融コングロマリットを築き上げてきた。

 とりわけ同社は人工知能(AI)をはじめとするデジタル技術に優れている点と、保険サービスの提供を通じて、数多くの顧客を抱え、健康関連のビッグデータを保有し、政府のヘルスケアセクターとのネットワークを有している点が強みと言える。

 また、3億4600万人のユーザーが登録する医療アプリ「平安好医生」を運営する平安健康医療科技を傘下に持ち、中国内で医療機関や薬局と強固なネットワークを築いている。急速に高齢化が進む中国において、医療機関や医師の不足といった課題をとらえて、ITを基盤とするヘルスケアプラットフォームを構築してきたのが平安保険グループだ。

「塩野義の研究開発力に期待」

 そのプラットフォームに塩野義の事業を組み合わせることで何ができるのか。