京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の研究を基に発足したスタートアップのリジェネフロ(旧RegeNephron、京都市、石切山俊博代表取締役)は9月9日、キリンホールディングス(HD)と共同研究契約を締結したと発表した。リジェネフロはiPS細胞から腎臓の元になる細胞をつくり出して、腎臓病を治療することを目指したスタートアップだ。共同研究によりキリンHDは研究費の一部を負担するとともにR&D本部から研究担当者を派遣し、非臨床試験用・臨床試験用の細胞の製造プロセスを共同で開発する。
キリンHDは2019年2月にキリングループ・ビジョン2027を発表し、「食から医にわたる領域で価値を創造する」と宣言している。医領域についてはグループの協和キリンが担っており、酒類・飲料と医薬品の中間の健康づくりや疾病予防などの領域での事業化の機会を探るのだと思っていたが、キリンHD自体で再生医療にも乗り出そうということだろうか。協和キリンでは、2016年に発表した中期経営計画で、再生医療の技術開発に取り組むと明記していたが、キリンHDとの役割分担に変化があったのだろうか。

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