「薬以外のソリューションを探索する中で出てきたアイデアを丁寧に育てて、医薬品に次ぐ成長エンジンにしていきたい」。大日本住友製薬の野村博社長は、9月8日に開催した説明会の冒頭、このように語り、新規事業創出への期待を示した。

 大日本住友が開催したのは、同社が「フロンティア事業」と位置付ける新規事業の説明会だ。従来の医薬品が対象にした「治療」だけではなく、予防、診断、治療、介護から社会復帰まで幅広く目配りし、現場でのニーズに対するソリューションの芽を見つけて事業に育てていこうというものだ。ソフトウエアやデバイスといった製薬企業としては不慣れなテクノロジーを活用するためにパートナー企業と組み、社内には2019年4月にフロンティア事業推進室という専任の部署を設けて取り組んでいる。

野村社長は「ある程度の段階になれば医薬とは異なる事業部門を立ち上げて本格的に進めていくことになるだろう」と話した
野村社長は「ある程度の段階になれば医薬とは異なる事業部門を立ち上げて本格的に進めていくことになるだろう」と話した

 疾患領域としては、「医薬事業とシナジーが見込める領域」として、精神神経、運動機能障害、生活習慣病、がんに焦点を当てた。パートナー企業とは、共同研究開発や、出資などを通じて共同で事業基盤を構築する。日本だけでなく、米国や中国などでも事業機会を探る方針だ。

 説明会で事業内容の詳細な紹介があったのは、Aikomi(横浜市、ニックハード代表取締役CEO)と共同研究開発を行っている認知症周辺症状用機器、米ビヘイヴィア(BehaVR)と共同開発を行っている社交不安障害用のバーチャルリアリティー(VR)コンテンツ、メルティンMMI(東京・中央、粕谷昌宏代表取締役)と共同開発を行っている手指まひ用ニューロリハビリ機器の3つ。

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