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 つまり、医療用医薬品分野で、がん、希少疾患、消化器、中枢神経、血漿(けっしょう)分画製剤の5つのエリアに焦点を絞っていこうとしている武田薬品にとって、OTC事業は異質の事業であり、十分な投資を行える対象ではなかったということだろう。

 ウェバー社長が「広告投資や利益率などの観点でも武田薬品が手掛けるのは難しかった。OTC事業の利益率を受け入れられる会社に譲渡する方がいいと考えた」と言及したことから、武田薬品ではOTC事業の利益率の低さが容認できなかった事情がうかがえる。

「武田の名前は付けない」

 ただ、1950年代に発売したアリナミンが武田薬品のかつての成長を支えた製品であり、その他にもベンザやボラギノールといった強力なブランドをTCHCは有している。医療用医薬品は消費者向けの広告などが制限されることから、OTC事業を手掛ける理由を「会社の知名度を高める」「採用で有利になる」などと説明する製薬企業もある。

 強いブランドを失うことが武田薬品の医療用医薬品事業の国内営業などに影響する面はないのだろうか。