アステラス製薬の安川健司社長最高経営責任者(CEO)
アステラス製薬の安川健司社長最高経営責任者(CEO)

 アステラス製薬は2021年5月に発表した「経営計画2021」の中で「組織健全性目標」を掲げ、イノベーションを実現するための人材育成や組織文化の醸成に取り組んでいる。背景にあるのは、「現状のままでは他社に劣後する」という安川健司社長最高経営責任者(CEO)の強烈な危機感だ。国内で売上高3番手の製薬企業のトップがどのような危機感を抱き、どのような改革を進めているのか。

 「決算発表と同時に次年度の目標を発表するが、10年代の半ば以降、年度初めの目標は低めで、秋に上方修正を繰り返し、投資家に怒られてきた。各部門の目標を積み上げるやり方をしていたのだが、実績が上振れするとボーナスに反映する仕組みだったので、期初にはコンサバな目標を設定していた。これでは駄目な会社になると思った」。安川社長CEOは、今回の人事・組織風土改革に着手したきっかけをこう口にした。

 18年に着任した安川社長CEOは、20年春に現行の中期経営計画である「CSP2021」の策定に着手するに際し、このような「イノベーションを阻害する要因」を徹底的に洗い出そうと考えた。その際、現場を離れた本社の社員ではなく、「研究本部、開発本部、技術本部から精鋭を1人ずつ出させて日本人2人、米国人1人のチームをつくり、9カ月かけて全世界の様々な社員にインタビューをさせて阻害要因を調べ上げた」(安川社長CEO)。

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