第一三共の眞鍋淳社長兼最高経営責任者(CEO)(写真:小林淳)
第一三共の眞鍋淳社長兼最高経営責任者(CEO)(写真:小林淳)

 スタンディングオベーションというと、コンサートや演劇、スポーツ観戦で見かけるものだと思っていたらどうやらそれだけではないらしい。毎年夏前に開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会は、世界中のがん専門家が集う医学界の主要会議の1つで、第一線の研究者が最先端の研究成果を発表する場であり、世界中の研究者や関連企業、メディア、投資家などからも大きな注目を浴びる。

 6月初めに米シカゴで開催された2022年の年次総会の最重要の位置付けを持つプレナリー(全員が参加する)セッションでその瞬間は訪れた。米メモリアルスローンケタリングがんセンターに所属する女性医師が発表を終えると、巨大なホールを埋め尽くした聴衆の多くが立ち上がり、喝采を送った。

 「多くの人が感極まり、発表者も、患者会の代表と思われる人も涙を流していた」と、その場にいた第一三共でグローバル研究開発ヘッドを務める竹下健一氏は語る。抗がん剤の開発経験の長いグローバルオンコロジー臨床開発ヘッドのジル・ギャラン氏も、「スタンディングオベーションはASCOで普通見られるものではないだけに、非常に驚いた」と明かす。

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この記事はシリーズ「橋本宗明が医薬・医療の先を読む」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。