
そこに藤澤社長らは目を付けた。「mRNA医薬の受託製造を医薬品の品質基準を満たして行えるのはモデルナぐらい。少なくとも日本にはないし、世界でもほとんどないだろう」と藤澤社長は話す。そこで、アークトゥルスから技術移転を受けて、mRNA医薬の開発・製造受託(CDMO)事業に乗り出すことにした。「ファイザーとビオンテック、モデルナのワクチンが95%の有効性を示したのは衝撃的だった」(同氏)
これまでの感染症用ワクチンに比べて有効性が格段に高いことに加え、変異ウイルスが登場しても、理論的には塩基配列を変更するだけで短期間で対応できる。今後は感染症用ワクチンは、mRNAワクチンに取って代わられていく可能性は十分にある。
たんぱく質に比べて安価に製造可能
一方、mRNAがワクチンとして有効なのは、体内でmRNAが「抗原たんぱく質」をつくり出して免疫を誘導するからだ。つまり、mRNAがそれだけ効率よくたんぱく質をつくり出せるのであれば、たんぱく質でできた医薬品を投与するのではなく、mRNAを投与して目的のたんぱく質を体内でつくらせるという方法も可能だろう。
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