シンガポールに本社を置くちとせバイオエボリューションは、微細藻類を、燃料やプラスチック、化粧品、機能性食品など様々な用途に活用するプロジェクトを4月に開始した。

ENEOSや三井化学、ホンダ、三菱ケミカル、花王などの企業や地方自治体など、現時点で20組織が参加するこのプロジェクトは、藻類を原油のように使い尽くすことで採算性を高め、化石燃料に置き換えていくことを目指す。各企業と共同で藻類の様々な用途での事業開発に取り組む一方で、2025年には東京ドーム400個分に相当する2000haの藻類培養設備も建設する計画だ。
お祭りのように産業を作り上げていきたい
ちとせバイオが立ち上げたプロジェクトの名称は「MATSURI(マツリ)」。「Microalgae Towards SUstainable & Resilient Industry」、つまり「微細藻類によるサステナブルでレジリエントな産業の実現へ」という文章の頭文字から成る。ちとせバイオの藤田朋宏最高経営責任者(CEO)は、「年度内には参加企業を100社に増やし、みんなでお祭りのように産業を作り上げていきたい」と意気込みを語る。
プロジェクトに参加する企業は年間90万~450万円の費用を負担。参加者で検討会を開催して藻類産業の中での役割分担を決め、共同研究開発のテーマごとに参加者を募って研究開発に取り組む。
ちとせバイオのグループでは、これまでに国内外で藻類の培養技術の確立や事業化に取り組んできた。子会社のタベルモ(東京・千代田、藤田朋宏CEO)では、スピルリナと呼ばれる微細藻類をスーパーなどで食材として販売するほか、ジュースバーやレストランなどに供給している。
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