危機には必ず終わりが来る

いつまで続くのかが分からないと、強い対策を続けるのは簡単ではありません。

尾身氏:だから今回は出口戦略が重要だと思います。出口をはっきりとさせておくべきです。

 今回は変異株なので中途半端だとリバウンドも早い可能性があります。しっかりと抑え込むべきですが、2週間も3週間も続くとつらくなってくるのも分かります。3週間たってまだ多いときにどうするかという問題が出てくるかもしれません。その意味では、政治のリーダーシップも、社会も試されることになると思います。特に、リーダーシップが強く問われることになるでしょう。

 なぜこんなことをするのかを、とにかくよく考えるべきでしょう。それは日本の医療を守るということです。日常の医療を守るということは、みんなの生活を守るということです。感染が広がる一番の問題は、一般の医療ができなくなってしまうということなのです。つまり、小児から高齢者まで、みんなの問題なのです。その意識がないと、なかなか難しいと思います。

 オリンピックのことを意識する声もありますが、オリンピックをやろうとやるまいと、いまの状況は早く改善すべきでしょう。

前回の緊急事態宣言のときに、延長を繰り返したわけですが、そのような事態も起こり得るわけですね。

尾身氏:それはそういう病気であるという一面も知っておくべきです。今回、対策を取って感染者数を減らすことができてもゼロにはならないし、波を繰り返していくことになるでしょう。だから、いったん減らした後、どうやって維持するかという出口後の戦略を考えておくことも大事だと思います。

 ワクチンが普及しても、この病気をゼロにすることはできないでしょう。しかし、いずれインフルエンザや風邪のように、生活の一部になっていくのではないかと考えています。

 ただ、いまのような危機的な状況が長く続くわけではないと思います。終わりは必ず来ます。ワクチンが高齢者から徐々に普及していけば状況は変わるでしょう。変異株の問題はありますが、ワクチンは作れますから。長い歴史の中で、ほんの2、3年のことだと思います。

この記事はシリーズ「橋本宗明が医薬・医療の先を読む」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。