ジェネリック大手の沢井製薬を傘下に持つサワイグループホールディングスは、2023年4月、年間約30億錠のジェネリックの生産能力を持つ子会社からの製品出荷を開始する。ジェネリックの供給不足により、薬局や医療機関では医薬品の品薄が続くが、解消につながるだろうか。

2023年3月7日、大手ジェネリック(後発医薬品)メーカーの沢井製薬を傘下に持つサワイグループホールディングス(GHD)は、21年12月に設立した子会社のトラストファーマテック(福井県あわら市)が4月に製品出荷を開始するのを前に、同社の工場見学会と記者説明会を開催した。
この工場は、21年2月に福井県から業務停止命令と業務改善命令の行政処分を受けたジェネリックメーカー、小林化工のものだった。小林化工の事件を皮切りにジェネリック企業で品質問題が相次ぎ、医薬品の安定供給に支障を来す事態が生じたことから、21年12月にサワイグループHDがトラストファーマテックを設立し、小林化工とその親会社のオリックスから生産設備と従業員を引き継いだ経緯がある。

サワイグループHDは21年5月に中期経営計画を発表し、国内ジェネリック市場でシェアを拡大するため、供給能力を強化する方針を打ち出していた。21年10月には、福岡県飯塚市にある沢井製薬の第二九州工場の生産能力を増強し、21年度に155億錠だった沢井製薬全体の自社生産能力を約20%増やす方針を発表。これに加えて小林化工の工場の譲受により、生産能力はさらに年間30億錠分上乗せできることになった。
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