サントリーのグループ会社が2023年2月、腸の音を測定し、人工知能(AI)で解析した結果を基に、食事や運動などを提案するiPhoneアプリをリリースした。飲料や機能性食品ではなく、デジタルヘルスのサービスを提供する狙いとは。
サントリーのグループ企業が2023年2月にリリースした腸活アプリの「腸note」。1月に米ラスベガスで開催されたテクノロジー見本市「CES」で、サントリーグループとしては初めての出展だったにもかかわらず、「CES2023イノベーションアワード」を受賞するなど注目された。このアプリ、iPhoneのマイクを通して腸の音を測定し、腸の状態をモニタリングするもので、リリースから2週間程度で数千件がダウンロードされたという。

腸noteを発案、開発したのはサントリーグローバルイノベーションセンター研究部の金川典正氏だ。サントリーグローバルイノベーションセンターはサントリーホールディングスの100%子会社で、事業部門での商品開発とは別に、基盤的な技術研究に取り組んでいる。金川氏はここで健康機能を有する食品素材を研究していたが、3年ほど前に会社が健康素材だけでなくライフスタイルに関する研究にも取り組む方針を打ち出したため、デジタルヘルス関連のツールを開発できないかと考えるようになった。
そこで注目したのが「腸の音」だ。腸がぜん動運動するときに音を出すことは古くから知られており、腸音は医師や看護師が聴診器を使って聞き取るバイタルサイン(生体情報)の1つだ。「スマホを使って簡単に解析できるのは画像か音だろう」と考えていた金川氏が腸音に着目してリサーチしたところ、腸に悩みを抱えている人が多く、腸活サプリなどの市場が大きいことが判明した。
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