
レンズに不思議な加工が施された写真のメガネ。これが1本、77万円(税込み)もするというから驚きだ。「Kubota Glass」(クボタメガネ)と名付けられたこの製品の正体は、メガネ型のデバイスに拡張現実(AR)の投影装置を組み込んだ製品。装着すれば屋内に居ながら、屋外で活動しているのと同じ環境でものを見ることができるという。
なぜそんなメガネが必要になるのか。実は屋外での活動が、子供の近視の発症抑制や進行の遅延につながることは、これまでに眼科系の専門誌などで多数報告されてきた。このため、台湾やシンガポール、中国などでは、子供の屋外活動を推進することで近視を減らそういう取り組みもある。
日本では、子供の近視は増加の一途をたどる状況だ。文部科学省が実施する学校保健統計調査によると、視力1.0未満の中学生は2021年度に初めて60%を超えた。ゲームやスマホの影響があるかもしれないが、視力低下の傾向は1970年代から一貫して続いている。屋外活動の減少とも大いに関係がありそうだ。実際、台湾では2010年に1日2時間以上の屋外活動を導入した結果、小学生の近視が減少したと報告されている。
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