小野薬品工業が2月24日、マルハニチロと共同で記者会見を行い、健康食品分野における機能性表示食品の商品開発で協業すると発表した。マルハニチロが提供した水産物由来の機能性素材を用いてサプリメントを開発するという。2014年に抗がん剤「オプジーボ」を発売して業績が飛躍的に拡大した小野薬品がサプリ事業に乗り出すわけとは?

小野薬品工業とマルハニチロが機能性表示食品の開発で協業すると発表した
小野薬品工業とマルハニチロが機能性表示食品の開発で協業すると発表した

 21年11月、小野薬品はオプジーボの特許使用料をめぐる訴訟で和解した。原告である京都大学の本庶佑特別教授に解決金として50億円を支払い、京都大学に設立された基金に230億円を寄付することになった。20年6月に提訴されて始まった係争はこれで決着したが、小野薬品は次の課題を直視せざるを得なくなった。オプジーボの“パテントクリフ”である。

 医薬品のパテントクリフとは、主力製品の特許切れによって後発医薬品(ジェネリック)に市場を奪われ、売上高が急落することを指す。オプジーボの日本での特許は31年に満了するが、海外などでのロイヤルティー収入はその数年前から減少し始めるとみられている。

オプジーボ関連が売上収益の約6割

 21年3月期の小野薬品の売上収益は3093億円だったが、そのうち約6割をオプジーボ関連が占める。988億円は小野薬品によるオプジーボの売上高。598億円はオプジーボの海外での権利をライセンスした米ブリストルマイヤーズスクイブからのロイヤルティー収入だ。さらに243億円はオプジーボの特許に関連した米メルクからのロイヤルティー収入である。

 つまり、オプジーボの特許切れを迎えると売上収益の約6割が吹き飛びかねないわけだ。このため小野薬品はここ数年、さまざまな企業とのライセンス契約を積極的に進めてきた。例えば20年12月にはChordia Therapeutics(コーディアセラピューティクス、神奈川県藤沢市)と、最大約500億円を支払って抗がん剤の全世界での権利を獲得する契約を結んでいる。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1384文字 / 全文2206文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、11年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「橋本宗明が医薬・医療の先を読む」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。