米大手製薬のブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)は、京都大学大学院医学研究科付属がん免疫総合研究センター長の本庶佑特別教授の研究支援を目的に京都大学に総額55億円(約5300万ドル)を寄付する。寄付金は、2021年に建設が始まるがん免疫総合研究センターの本部棟建設資金として使われ、本部棟にはBMSの社名を冠した名称が付けられる。

 BMSは本庶氏の研究に基づいて開発されたがん免疫療法薬「オプジーボ」を日本、韓国、台湾以外の地域で独占的に販売する権利を取得。オプジーボは14年に日米などで発売するとたちまち大型品となり、19年にはBMSでの売上高は72億ドル(約7500億円)に達した。今回の寄付は長年のパートナーである本庶氏の研究を支援するものだ。BMS日本法人のジャン=クリストフ・バルラン代表取締役社長に狙いなどを聞いた。

ジャン=クリストフ・バルラン氏
日本のブリストル・マイヤーズ スクイブとセルジーンの代表取締役社長
英グラクソ・スミスクライン、フランスのダノンなどを経て、2012年に米ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)に入社。フランス法人の幹部などを経て、17年11月から日本法人の代表取締役社長に就任。19年11月BMSと米セルジーンとの統合に伴い、20年1月からセルジーン日本法人の代表取締役社長を兼務。日本では21年に両法人の統合を予定している。

今回の寄付は、京都大学もしくは本庶特別教授からの要請があったということか。

ジャン=クリストフ・バルランBMS日本法人社長:そういうわけではない。ご存じの通り、京都大学と本庶教授はがん免疫療法のパイオニアであり、BMSとは長年にわたってパートナーシップを組んできた。BMSが寄付をしたのは、これまでの密接な関係に基づくものだ。

55億円というのはそれなりに大きな金額だ。多額の寄付をした狙いは。

バルラン氏:まず、グローバルのBMSではこれまでに各国でさまざまな寄付を行ってきたが、米国で行ったものも含めても今回が最大の寄付額だ。グローバルのBMSが、日本のサイエンスのエコシステムをいかに重視しているかを表していると理解してもらいたい。日本のサイエンスに関心を持ち、今後も深く関わっていきたいと考えているとの意思を示したものだ。

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