シリーズ
橋本宗明が医薬・医療の先を読む

(写真:PIXTA)
149回
-
武田薬品、国内新工場に1000億円投資 血漿分画製剤強化
武田薬品工業は大阪工場の敷地内に1000億円を投資して血漿(けっしょう)分画製剤の製造施設を新設すると発表した。久しぶりの国内における大型投資案件だ。2030年ごろに稼働予定の新製造施設では、国内向けだけでなく、海外向け…
-
サワイ生産能力増強するも、ジェネリック供給不安はまだ続く
ジェネリック大手の沢井製薬を傘下に持つサワイグループホールディングスは、2023年4月、年間約30億錠のジェネリックの生産能力を持つ子会社からの製品出荷を開始する。ジェネリックの供給不足により、薬局や医療機関では医薬品の…
-
iPhoneで「腸音」測定、アプリをサントリーが開発した理由
サントリーのグループ会社が2023年2月、腸の音を測定し、人工知能(AI)で解析した結果を基に、食事や運動などを提案するiPhoneアプリをリリースした。飲料や機能性食品ではなく、デジタルヘルスのサービスを提供する狙いと…
-
1本、77万円 「クボタメガネ」って何だ?
メガネ型のデバイスに拡張現実(AR)の投影装置を組み込んだ製品が2022年8月に発売された。屋内でこの“メガネ”を着用すると、目は屋外で活動しているのと同じ環境となる製品だ。それによって近視の発症予防や進行抑制を目指して…
-
あのモデルナが約110億円で買収した立教大発ベンチャーの実力
米モデルナは2023年1月、東京大学のキャンパス内に本社を置くOriCiro Genomicsを8500万ドル(約110億円)で買収すると発表した。新型コロナのワクチンで大成功した米企業は、なぜ買収第1号に立教大発ベンチ…
-
楽天メディカルのがん新療法、「第3の候補品」は“二刀流”で闘う
光免疫療法薬というがんの新しい治療薬を開発、日本で条件付きの承認を取得した米国の楽天メディカル。続く候補品の開始にも余念がない。これから臨床試験を開発しようとしている第3の候補品は、免疫反応との相乗効果でがんを攻撃するユ…
-
がん治療に挑むノバルティス 注力する「放射性リガンド療法薬」とは
がん領域に力を入れるグローバル製薬企業のスイスのノバルティス。分子標的薬や遺伝子細胞療法薬などの開発でリードしてきた同社が現在注力しているのは「放射性リガンド療法薬」だという。どんなものだろうか。
-
アルツハイマー病との闘い、次の課題は「診断・検査」技術
エーザイと米バイオジェンが開発したアルツハイマー病治療薬が米国で迅速承認されたが、治療の対象となる早期アルツハイマー病患者を簡単に判定する診断・検査技術はまだ確立されていない。ただ、医療機器、診断薬メーカーの間では、より…
-
「年350万円」高額アルツハイマー薬の試練、エーザイの説明責任
米食品医薬品局(FDA)から迅速承認を取得したエーザイのアルツハイマー病治療薬「レケンビ」。承認取得の発表と同時に、米国で平均体重の患者が使った場合の価格を年間2万6500ドルに設定したことを発表した。価格は様々なデータ…
-
中外製薬、技術ドリブンの創薬戦略
中外製薬はR&D(研究開発)説明会を開催し、幾つかの新たな開発候補品を紹介した。そのうちの1つは、人間が持つ免疫の仕組みを治療に生かす抗体医薬の次世代品。通常の抗体医薬は1つの物質に強く結合する特徴を持つが、この候補品は…
-
米メルク、大型品の特許失効後の成長にも自信
米製薬大手メルクのロバート・M・デイビス会長兼最高経営責任者(CEO)が来日し、メディアの取材に応じた。グローバルの成長をけん引する主力の抗がん剤キイトルーダが、日本では薬価引き下げにより成長できていない問題について、政…
-
塩野義のコロナ飲み薬、初の緊急承認の意義はどこにある
厚生労働省は11月22日、塩野義製薬が緊急承認制度を使って承認申請していた新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ錠」を緊急承認した。新型コロナの飲み薬としては日本で3つ目となる。ゾコーバ錠は、5月に医薬品医療機器等法(…
-
武田薬品、グローバルワクチン企業に一歩前進 デング熱向けで成果
武田薬品工業が開発中のデング熱ワクチンに対して、欧州連合(EU)の規制当局の委員会が承認に肯定的な見解を出した。既に2022年8月にはインドネシアで承認されているが、欧州や欧州域外の流行国でも順次承認されそうだ。グローバ…
-
下水からウイルス検出 新型コロナ流行監視する塩野義の新技術
塩野義製薬と島津製作所が合弁で設立したAdvanSentinelは、下水中から高感度で新型コロナウイルスを検出する技術を開発したと発表した。同社が挑む下水疫学調査サービスとはどんなビジネスなのか
-
「RNAi薬は新たな章が始まった」アルナイラムCEOの自信
新型コロナウイルス感染症向けのワクチンですっかり有名になったメッセンジャーRNA(mRNA)だが、ヒト体内でたんぱく質をつくり出すmRNAを分解して、異常なたんぱく質による疾患の治療を目指すRNAi薬というものもある。R…
-
エーザイのアルツハイマー病新薬、社会に対する価値を示せるか
エーザイは米バイオジェンと共同開発しているアルツハイマー病治療薬のレカネマブについて、早期アルツハイマー病患者を対象とした大規模比較試験で良好な結果を得たと発表。2023年にも日米欧での承認取得を見込む。アルツハイマー病…
-
モデルナCEO来日で熱弁、mRNAをアプリに例える真意とは
新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの開発と世界供給で成功を収めた米モデルナのステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)がこのほど来日。日本でのワクチン工場建設を視野に入れて政府と協議中であることを明かした。そのバ…
-
住友ファーマ、社名変更してもなお、道は険しく
2022年4月1日に、大日本住友製薬から社名変更した住友ファーマ。主力の抗精神病薬「ラツーダ」の米国での独占期間が22年度中に終了し、業績的には苦境を迎える。新薬が思い通りに育たない中、研究開発費を抑えながら次代の屋台骨…
-
武田薬品との提携でワクチン実用化した米ノババックスの戦略
2022年4月に武田薬品工業が日本で4番目のコロナワクチンとして承認を取得した「ヌバキソビッド」。米ノババックスから製造技術を導入し、日本でのライセンスを受けて製造した遺伝子組み換えたんぱく質ワクチンだ。ノババックスは製…
-
「大麻草から医薬品」の現実味、サプリにも使えるCBDとは
大麻草の主成分の1つであるカンナビジオール(CBD)を有効成分とする医療用医薬品が、規制のために日本では扱えない状況だ。これを改めるために大麻取締法見直しの議論が進められている。CBDを機能性素材として利用した化粧品やサ…
WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
おすすめのシリーズ
-
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
-
徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
-
クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
-
不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
-
菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
-
1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
-
10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
-
河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
-
ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
-
大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
-
グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
-
フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
-
ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
-
テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
-
70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回