トヨタ自動車が電気自動車(EV)事業の大幅拡大を宣言した。最重要市場といえる米国のバイデン政権がEVシフトを明確にしたことに背中を押された。ハイブリッド車(HV)なども販売する「全方位」路線を貫きつつも、EVで「負けない」という覚悟を広く示した。

 トヨタ自動車は12月14日、2030年に電気自動車(EV)を世界で350万台販売するという目標を発表した。同社が1年間に販売する新車の約3割に相当する規模だ。

 燃料電池車(FCV)とEVの合計で30年に200万台という目標を5月に公表していたが、わずか7カ月で大幅に上乗せした。30年までにEVや電池の研究開発や設備投資に4兆円を充て、超小型車からスポーツ車まで30車種に上るEVをフルラインアップでそろえる。高級車ブランド「レクサス」は35年までに全面EV化する。

トヨタ自動車は12月14日、EV事業の大幅拡大を発表。30年までに30車種をそろえる(写真:三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY)
トヨタ自動車は12月14日、EV事業の大幅拡大を発表。30年までに30車種をそろえる(写真:三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY)

 発表翌日の15日、トヨタの株価は前日比3.6%上昇し、株式市場が発表を好意的に受け止めたことを示した。

 「ハイブリッド車(HV)重視でEVには消極的」ともみられてきたトヨタの姿勢が一変したと伝えたメディアも多かった。だが、トヨタ周辺の関係者は、至って冷静だ。「(目標台数など)社内の合意形成には時間がかかっただろうが、『全方位』戦略におけるEVの位置付けをやっと(豊田章男社長が)語ってくれた」

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