「『トヨタは仕入れ先を搾取し、いじめているんじゃないか』と言われてきた。正直、悩みながら取り組んできた」。12月7日、トヨタ自動車は調達先の生産活動の負担軽減に向けた4年にわたる取り組みについて説明の場を設け、担当者は複雑な心中を吐露した。
トヨタが2017年末から実施してきたのは、品質・性能適正化特別活動(Smart Standard Activity、以下SSA)と呼ぶ、調達資材の「過剰品質」を改める活動だ。
トヨタは世界の自動車業界の中でも品質要求が厳しいことで知られる。それが製品の信頼性やブランドに寄与してきたが、調達先に過度な負担を強いる結果も招いていた。
例えば、内装部材を手掛ける5次サプライヤーでは、車の使用者からは見えない部品の裏側に微細なバリが残っていただけで廃棄するといった行き過ぎた品質管理をしていた。トヨタが示した「有害なバリ・キズ無き事」という曖昧な基準を、過度に忖度(そんたく)した結果だ。「『納品を突っぱねられるのではないか』という不安から過剰品質を招いていた」。同社クルマ開発センターの志賀武文氏は、そう話す。SSAを実施し、不良率は実に4分の1になった。

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