自動車業界の悲願である「交通事故死ゼロ」。温暖化ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンゼロ」に並ぶ長期目標として掲げるメーカーが増えている。ホンダは2050年までに自社製の自動車・二輪車が関与する事故で死者を出さないための安全技術の確立を急ぐ。全世界で交通事故による死亡者は年間およそ130万人。悲劇の起きない未来に向けた開発競争が活発になる。

 スマートフォンを見ながら歩く男性。路肩に止まっている車の前を横切って車道を横断しようと歩き出す。車の後方から走ってくるドライバーは、停止車両が妨げとなって男性の姿に気づかない。

 事故が起こってもおかしくない、こんな場面。実際に肝を冷やした経験のあるドライバーも少なくないだろう。いまのところ、走ってくるドライバーが前方を注意する以外に、こうした事故を防ぐ方法はない。

 しかし、もし見えない歩行者の存在に気づけたなら、もし歩行者が車の接近を知って立ち止まることができたなら、事故の可能性を大幅に防ぐことができるかもしれない――。こうした考えから、ホンダは交通事故のリスクを人工知能(AI)で予測し、自動車や歩行者とリアルタイムに共有する研究を進めている。

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3/14、4/5ウェビナー開催 「中国、技術覇権の行方」(全2回シリーズ)

 米中対立が深刻化する一方で、中国は先端技術の獲得にあくなき執念を燃やしています。日経ビジネスLIVEでは中国のEVと半導体の動向を深掘りするため、2人の専門家を講師に招いたウェビナーシリーズ「中国、技術覇権の行方」(全2回)を開催します。

 3月14日(火)19時からの第1回のテーマは、「特許分析であぶり出す中国EV勢の脅威」です。知財ランドスケープCEOの山内明氏が登壇し、「特許分析であぶり出す中国EV勢の脅威」をテーマに講演いただきます。

 4月5日(水)19時からの第2回のテーマは、「深刻化する米中半導体対立、日本企業へのインパクト」です。講師は英調査会社英オムディア(インフォーマインテリジェンス)でシニアコンサルティングディレクターを務める南川明氏です。

 各ウェビナーでは視聴者の皆様からの質問をお受けし、モデレーターも交えて議論を深めていきます。ぜひ、ご参加ください。

■開催日:3月14日(火)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「特許分析であぶり出す中国EV勢の脅威」
■講師:知財ランドスケープCEO 山内明氏
■モデレーター:日経ビジネス記者 薬文江

■第2回開催日:4月5日(水)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「深刻化する米中半導体対立、日本企業へのインパクト」
■講師:英オムディア(インフォーマインテリジェンス)、シニアコンサルティングディレクター 南川明氏
■モデレーター:日経ビジネス上海支局長 佐伯真也

■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■主催:日経ビジネス
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。視聴希望でまだ有料会員でない方は、会員登録をした上で、参加をお申し込みください(月額2500円、初月無料)

>>詳細・申し込みはリンク先の記事をご覧ください。