自動車メーカーやIT(情報技術)大手がAI(人工知能)を駆使する自動運転技術の開発を競う中、競争から脱落する者も出てきた。米フォード・モーターなどは10月、共同出資していた米自動運転スタートアップ、アルゴAIの清算を発表した。完全自動運転のコア(中核)技術の一つとされる人工知覚(AP=Artificial Perception)を手掛ける東証グロース市場上場企業、Kudanの項大雨CEO(最高経営責任者)に開発の現在地や戦略を聞いた。

項大雨(こう・だいう)氏
項大雨(こう・だいう)氏
Kudan代表取締役CEO(最高経営責任者)
2009年東京大学工学系研究科機械工学専攻修士課程修了、トヨタ自動車入社。14年米マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社を経て、16年Kudan入社、17年取締役COO(最高執行責任者)、20年11月から現職。中国・上海生まれ。38歳

Kudanの事業内容について教えてください。

項大雨Kudan代表取締役CEO(以下、項氏):空間を認識する人工知覚技術に特化しています。データを処理する人工知能(AI)が「機械の脳」に当たるのに対し、人工知覚(AP)は「機械の目」に当たります。AIのようにあらかじめ学習したシステムでデータをパターン認識するのではなく、新しい空間に入ったところで周囲の状況をより直感的に理解する技術です。自動化や無人化の流れの中で、機械の目は欠かせません。

 自己位置推定と地図作製を同時に行う「SLAM」という技術領域に強みを持っています。もともとはAR(拡張現実)用ソフトウエアをつくっていましたが、アルゴリズム(計算手法)の開発に軸足を移しました。汎用で使えるアルゴリズムを集中して磨いたことで、ドローンやロボット、自動運転、さらにはメタバースなど幅広い分野に応用が可能になっています。

自動運転向けの技術開発は現在どういう段階にありますか。

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