世界向けに販売する初の電気自動車(EV)「ソルテラ」を11月11日に発表したSUBARU(スバル)。トヨタ自動車と共同開発した車両で、トヨタのEV「bZ4X」と兄弟車に当たる。基本的な仕様はほとんど同じで、近年のスバル車を代表する機能である安全運転支援システムは非搭載だった。

スバルの新型EV「ソルテラ」と、発表会に登壇した中村知美社長
スバルの新型EV「ソルテラ」と、発表会に登壇した中村知美社長

 「共同開発の時間軸の中で、やり切るのに時間が足りなかった」

 スバルが世界向けに発売する初のEV「ソルテラ」の発表会で、近年のスバル車の代表的な機能である先進運転支援システム(ADAS)「アイサイト」が非搭載になった理由を問われた開発責任者の小野大輔氏はこう語った。車両全体を制御する電子プラットフォームと、アイサイトの通信系統のつなぎ合わせが間に合わなかったという。

 アイサイトの代わりにソルテラに搭載したのはトヨタのADASだ。その結果、ソルテラとその兄弟車であるトヨタの「bZ4X」は、カタログ上のスペックはほとんど変わらないものとなった。外観や内外装、“乗り味”に影響する走りのセッティングなどに違いがあるとスバルは説明するが、一般の消費者にとって目立つ違いはほとんどない。

 スバルとトヨタは2005年に業務提携に合意して以来、協業関係を深めてきた。12年に共同開発のスポーツ車、スバル「BRZ」とトヨタ「86」を発売。19年にはEVプラットフォームおよびEVの開発に共同で取り組むことにも合意した。その後、トヨタが出資比率を20%に引き上げ、スバルを持ち分法適用会社にした。

 共同開発した最初のEVであるスバルのソルテラとトヨタのbZ4Xは5人乗りの多目的スポーツ車(SUV)。フル充電で走行できる航続距離は駆動方式に応じて500km前後になる。電動化やコネクテッドなどの先進技術の領域はトヨタが、安全性能やAWD(全輪駆動)の領域はスバルが主導して開発したという。トヨタの国内工場で生産し、2022年半ばまでに日本や北米、中国、欧州などで発売する予定だ。

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