為替の円安に辛くも助けられた――。トヨタ自動車は1日、2023年3月期(今期)の予想連結純利益を前期比17%減の2兆3600億円で据え置いた。資材高騰、半導体不足による生産制約、人手不足に起因する人件費上昇など利益を押し下げる要因に次々と襲われ、円安効果がなければ下方修正は必至の状況だった。粘り腰を見せたトヨタだが、新型コロナウイルス禍前への回復という意味での「正常化」は見通せない。

 「ここまで(半導体不足が)長引くとは正直思っていなかった。半導体の中には供給不足が続くものも散見される」。トヨタの熊倉和生・調達本部本部長は、1日の決算会見でこう述べた。半導体不足がいつ収束するかについて問われると「収束してほしいが、よく分からない」と戸惑いの表情を見せた。

 トヨタの2022年4~9月期連結決算は、売上高に当たる営業収益が前年同期比14%増の17兆7093億円となり、過去最高となった。ところが、本業のもうけを示す営業利益は35%減の1兆1414億円、最終的なもうけを示す純利益は23%減の1兆1710億円にとどまった。

トヨタの自動車工場。半導体などの調達難に起因する生産制約は解消のめどが立っていない
トヨタの自動車工場。半導体などの調達難に起因する生産制約は解消のめどが立っていない

 海外に自動車を多く輸出するトヨタは、円相場が対ドルで1円円安に振れると、営業利益が年約450億円押し上げられる。急速に進んだ円安は利益にプラスだが、それでも2ケタ減益となるほど逆風は強い。通期の見通しについても営業利益、純利益ともに据え置くのがやっとだった。

 この決算を受けて東京株式市場でトヨタ株は売られ、決算発表前に2065円前後で推移していた同社の株価は2日午前に一時2000円を割り込んだ。

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利益を1兆6500億円下押し

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