ホンダが中国での電気自動車(EV)戦略を明らかにした。2022年春に同社初のEVブランド「e:N(イーエヌ)」を立ち上げ、最初の5年間で10車種を投入する。2つある現地合弁にそれぞれEVの専用工場も設ける。世界最大の自動車市場であると同時に最大のEV市場でもある中国で、製販両面でアクセルを踏む。米テスラや現地の新興メーカーが先行する市場で、後発からの逆転を狙う。

 「技術革新の最前線である中国で我々は最先端の製品と技術を中国の消費者の皆さんに提供します」。13日、オンラインで開いた戦略発表会の冒頭、ホンダの三部敏宏社長は力を込めた。30年以降はエンジンだけで走るクルマの投入をやめ、新車はすべて電動車とするとも表明した。

 ホンダは同社長の下、日本の自動車メーカーで唯一、40年を目標に世界中で販売する新車をすべてEVか燃料電池車(FCV)にする「脱エンジン」を宣言し、日本国内の業界関係者を驚かせた。中国はホンダにとってEVシフトを本格的に推し進める最初の市場になる。

22年春にEV2車種投入

 中国政府は35年をめどに新車の50%以上をEV、プラグインハイブリッド車(PHV)、FCVで構成する新エネルギー車(NEV)に置き換え、残りもすべてHVとする計画を打ち出している。ホンダはそれより5年速いペースで電動化を進めることになる。

 まず22年春に新ブランドのe:Nから発売するEVは、現地合弁の東風ホンダ(湖北省)が手がける「e:NS1」と、広汽ホンダ(広東省)の「e:NP1」の2車種。北米市場向けに20年代後半の投入を目指して開発を進める「eアーキテクチャー」とは異なる、主に中国向けのプラットホーム(車台)を採用したモデルになる。

ホンダの中国合弁の一つ、広汽ホンダが発売する「e:NP1」(写真:ホンダ提供)
ホンダの中国合弁の一つ、広汽ホンダが発売する「e:NP1」(写真:ホンダ提供)

 13日の発表会では詳しい商品説明はなかったが、1回の充電で500キロメートル以上走る航続性能を持つことや、運転席と助手席の間に約15インチのディスプレーが備わること、高度な安全運転支援システムを採用することなどが示された。中国国内1200の販売店にe:Nコーナーを新設し、主要都市にはe:N専売店も設ける。

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