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 日野自動車の米国事業を担う米国日野販売と米国日野製造は10月5日(米国時間)、北米でのトラック開発のロードマップ「プロジェクトZ」を発表した。トヨタ自動車と燃料電池車(FCV)の大型トラックを共同で開発し、2021年前半をめどに試作車両を開発する。

 プロジェクトZでは小型トラックから大型トラックまで排出ガスをゼロにする取り組みで、FCVのほかEV(電気自動車)のトラックなどの開発・設計も行う。米国日野販売のシニア・バイス・プレジデントのグレン・エリス氏は「ゼロエミッションの技術は急速なスピードで進んでおり、様々な企業との協力関係が欠かせない」とし、「トヨタとの協業の成果をゲームチェンジャーとしていきたい」という。

日野自動車はトヨタ自動車と燃料電池トラックの開発に乗りだした

 プロジェクトZはトヨタ以外の企業との取り組みも進んでいる。スタートアップ企業のSEAエレクトリックのモーターを搭載した小型EVトラックなどを公開した。米国日野はプロジェクトZで手掛けた車両のうち、いずれかを2024年をめどに量産化したい考えだ。

 北米で盛り上がるFCVの市場。背景にあるのが州政府による規制だ。カリフォルニア州は9月、ガソリンエンジンを動力とする乗用車とトラックの販売を35年より禁止する方針を打ち出した。EVはもちろん、FCVにとっても追い風となるのは間違いない。バッテリーの能力と航続距離に限界があるため、長距離輸送においてEVは課題が残るが、トラックを含めFCVは「軽油を入れる感覚で短時間で燃料補給できるのが特徴」(日野自動車)だからだ。

 富士経済によれば、30年度にはFCVシステムの世界市場は17年度比28倍の約4兆9275億円に到達する見通し。ドイツが「国家水素戦略」を打ち出すなど、水素を活用するFCV市場は官による後押しで成長市場となりつつある。独ダイムラートラックも燃料電池トラックを20年代後半に量産する計画を掲げる。

参考記事:ダイムラー、燃料電池トラック量産 「水素大国ドイツ」へ官民攻勢