5月の道交法改正が追い風

 ウィルの電動車椅子は、道路交通法上は歩行者扱いのため、免許不要。家庭用コンセントで充電し、時速1~6キロ程度で歩道を走ることができる。座りながら操作でき、車に代わる高齢者の近距離移動の足として注目が集まっている。最近では、空港のゲートラウンジなどでも利用されるようになった。

 前述のように電動車椅子は折り畳める機種もあり、車などに積み込んで家族で遠出する際にも利用しやすい。価格は20万~40万円台と車よりもかなり安い。ウィルが今年8月に実施した調査によると、免許を返納した70~80代の男女の約3分の1が「車の代わりになる移動手段が少ない」と回答しており、ウィルは潜在需要は大きいと見込んでいる。

ウィルの電動車椅子。手元の操作で簡単に動かすことができ、小回りが利く点も魅力だ
ウィルの電動車椅子。手元の操作で簡単に動かすことができ、小回りが利く点も魅力だ

 また、5月に道交法が改正された。ブレーキとアクセルの踏み間違いなどに起因する高齢者の交通事故が相次いだことを背景に、75歳以上で過去3年間に信号無視などの一定の交通違反行為があった人に運転技能検査が義務付けられた。

 今後、技能検査をパスできずに車の運転ができなくなる高齢者は増えていくとみられる。こうした免許返納を促す制度が整ってきたことが、電動車椅子の普及には追い風となる。

 車販売店が電動車椅子に注目する理由はまだある。

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